二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 オリキャラ募集中 ( No.239 )
- 日時: 2012/02/26 18:31
- 名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
61話〜立ち上がれ!!!!〜
「あ・・・うあ・・・・」
「っつ・・・・」
既に聖堂の中は原型が無い程滅茶苦茶になってしまっている。
その中で倒れ伏すナツとカムイ。
「まだ生きてんのかよ。いい加減にくたばれよ」
そんな二人を非道に見下ろすラクサス。
「おまえらもエルザもミストガンもジジィもギルドの奴らも
マグノリアの住人も・・・・・・全て消え去れぇぇぇ!!!」
—ゴゴゴゴオオォォォォ!!!—
ラクサスが悲痛ともとれる叫び声をあげた。
すると、ラクサスの魔力の感じが変わってきた。
「この感じ・・・・・嘘だろ・・・・・」
その感じに二人は覚えがあった。それは以前起きたファントムとの戦争の時に
マスターが最後に放った超絶審判魔法、妖精の法律の感覚だった。
「冗談だろ・・・・・・。術者が『敵と認識した者全て』が攻撃対象なんだぞ。
そんな魔法今ラクサスが使ったら・・・・・・」
「よせ!!ラクサス!!」
「うおおおおおお!!!」
二人とも体が動かなく、ラクサスの暴走を止めることは出来ない。
必死にナツが叫んでも、その言葉はラクサスには入ってはいなかった。
「おおおおおお!!」
「止めて!!ラクサス!!」
聖堂の中に膨大な魔力が渦巻く中、入ってきたのはレビィだった。
「ラクサス、聞いて!!マスターが・・・・あなたのおじいちゃんが!!
・・・・・・危篤なの!!!」
レビィの言葉にその場にいる誰もが言葉を失い、目を丸くした。
「だからお願い!!もう止めて!!マスターに会ってあげてぇ!!」
目に涙を溜めて訴えるレビィ。ラクサスは少しの間固まっていたが、直ぐに口元を緩ませた。
「・・・・・・ふふっ。丁度いいじゃねぇか。これでこの俺がマスターになれる可能性が浮上した訳だ」
「そんな・・・・!!」
その場で崩れ落ちるレビィ。それとともにラクサスの魔力はどんどん上昇していった。
「俺が一から築き上げる!!誰にも負けない!!皆が恐れ戦く最強のギルドをなぁぁ!!!
妖精の法律!!!発動!!!!」
—ズアアアアアァァァァ!!!!—
ラクサスが作りだした球体の光がどんどん広がって行きナツを、カムイを、レビィを、大聖堂を、
そしてマグノリアの町を包み込んでいった。
「はぁ・・・・・。はぁ・・・・・・・。」
発動を終え、一人息を整え歓喜に体を震わすラクサス。
「俺は・・・ジジィを超えた」
「ゲホッ!ゴホッ!!」
「!!!!」
だがそれも聞こえてくる咳の音に消される。見るとナツもカムイも皆無事だ。
「なぜだ!!?何故誰もやられてねぇ!!!どうなってやがんだ!!!?」
「ギルドのメンバーも町の人も誰一人やられてはいない」
と、そこに現れたのはフリード。相当の怪我を負っていて、壁にもたれかかる。
「そんなハズはねぇ!妖精の法律は完璧だった!!」
目の前の事が信じられず声を張り上げるラクサス。
だが、次のフリードの言葉にラクサスは固まった。
「それがお前の『心』だ、ラクサス。お前はマスターの孫として多くのものを受け継いだ。
力、魔力!・・・・そして仲間を思う心」
「・・・・・・!」
「妖精の法律は術者が敵と認識した者にしか効果がない。
言っている意味が分かるよな?ラクサス」
「・・・・・・!!」
ラクサスもその意味が分かっているようで、顔がどんどん困惑したものへと変わっていく。
その意味を代弁するようにレビィが呟いた。
「心の内側を魔法に見抜かれた・・・・・・・」
「魔法に嘘はつけないなラクサス。これがお前の『本音』だ」
「・・・・・・違う!!この力は俺の力だ。ジジィなんて関係ねぇ!!!!
ジジィから受け継いだもんなんて何もねぇ!!!
俺はラクサスだ!!ジジィの孫じゃねぇ・・・・・ラクサスだああぁぁぁあ!!!」
「・・・・・そんなこと・・・・・みんな知ってる」
吼えるラクサスに答えたのはナツだった。ボロボロの体に鞭打ち、ヨロヨロと立ち上がる。
「思いあがるな馬鹿野郎。血の繋がり如きで吼えてんじゃねぇ!!!
ギルドこそが俺たちのギルドだろうがぁ!!!」
「何も知らねぇてめぇが知った風な口を聞くんじゃねぇ!!ナツ!!!!」
ラクサスは歯を食いしばりそう叫ぶと、両手に魔力を集中させた。
「知らねぇから互いに手を伸ばすんだろ!!!それが仲間ってもんだろラクサス!!!!」
ナツがラクサスに突っ込む。ラクサスは両手に溜めた魔力を地面に叩き付けた。
「爆雷竜撃」
「ぐおおお!!」
ナツの足元で雷が吹きあがり爆発を起こす。それにより宙に吹き飛ばされるナツ。
更にラクサスは右手を上げると、雷がナツの真上に集まりだす。
「雷竜豪雨閃」
ラクサスが右手を振り下ろす。するとその集まった雷から電撃が伸び、何度も何度もナツの体を貫いた。
「・・・・・・・!!!!」
直撃をうけ、地面に叩きつけられバウンドするナツ。そこに更にラクサスが追撃をしかける。
「雷竜の・・・・」
「止めろラクサス!!!それ以上は・・・・・・・!!」
「咆哮ォォォォオ!!!!」
—ズキャアアァン!!!—
フリードの制止も聞かず、ラクサスは止めの一撃をナツに浴びせ得る。
元々限界に近かったナツが、これほどの攻撃を受けて生きている可能性は少ない。だが・・・・・
「ハァーーーーー!!!ハァーーーーーーーー!!!」
息をするのも辛いかのような表情。それでもナツは立ちあがった。
「まだ・・・・・立つのか・・・」
その姿に恐怖する感じるフリード。だがラクサスはその姿に苛立ちが募るばかりだった。
「このガキがぁぁ〜〜〜〜〜!!跡形も無く消してやる!!!」
両手を頭上に構え、雷で槍のような形を形成するラクサス。それを見てフリードが叫んだ。
「よせラクサス!!!今のナツにそんな魔法使ったら・・・・・!!!」
「雷竜方天戟!!!」
槍をナツへと投げ付ける。ナツはそれを見ても逃げることも迎え撃つことも出来なかった。
「くそぉぉぉぉっ!!」
—ドギャアアァァンン!!!!—
槍が直撃し、激しい雷撃と共にその体を突き抜ける。だが、突き抜けたのはナツの体ではなかった。
「がはっ・・!!」
「カムイ・・・」
ナツの前にカムイが立ち尽くす。再び傷口が開いたのか、腹部から赤い血が吹き出る。
「あの体で・・・自ら盾に・・・」
「・・・いけ・・・・ナツ!!」
「・・・・・!!うおおおおお・・・・・」
カムイの言葉にナツは立ち上がるり、ラクサスへと突っ込んだ。
「お・・おのれぇぇえぇ!!!いい加減くたばれぇぇぇ!!!!
雷竜の咆哮!!!!」
ラクサスが雷のブレスを放つが、ナツはそれを避けようとしない。
もうすでにそんな体力は残っていないのだ。残っているのはラクサスを倒すための体力だけ。
ナツはブレスの直撃を受けながらも、ラクサスの前まで突き進んだ。
「滅竜奥義!!紅蓮爆炎刃!!!!」
炎を纏った両腕を螺旋状に振るい、爆炎を伴った強烈な斬撃を放つナツ。
「ぐはぁぁぁぁあぁ!!!!・・・・・う・・・・おおお!!!!!」
だが、それでもラクサスは倒れない。ナツの腕を掴み口を開けた。
「零距離のブレスで吹き飛べぇぇぇ!!!!」
「雷光灼火!!!」
ナツの周りに灼熱の大気が渦巻く。それに思わず後退るラクサス。
その灼熱の大気はナツを守る様に纏った。
「火じゃねぇから食えねぇけど、無いよりはちったぁマシだろ」
「カムイ・・・・・」
カムイの微笑みにナツも僅かに微笑みを返す。だが、すぐにラクサスへと向き直ると
もう一度ラクサスへと走った。
「滅竜奥義・・・・改!!!」
炎の纏った両腕に灼熱の大気が織り交ざりさらに強烈な炎を生み出した。
「紅蓮灼熱刃!!!」
—ズドドドドォォォンン!!!—
この攻撃でさすがのラクサスも吹き飛び、地面に倒れる。
そして起き上がらないのを見て、ナツは高々と吼えた。
こうして長かったB・O・FTも終わりを告げるのであった。