二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 65話更新 ( No.251 )
- 日時: 2012/10/21 00:36
- 名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
66話〜天空の巫女〜
「ゆくぞ」
辺りに煙が舞う中、ブレインがそう言い放ち立ち去ろうとする。
コブラは砂塵が舞う連合軍のいた辺りに顔を向けると口を開いた
「いいのかよブレイン。まだ全員生きてんぜ」
「構わぬ。ゴミにこれ以上関わっている時間は無い。欲しい者は手に入れた」
「あの小娘が何だってんだ。ニルヴァーナに関係してんのか?」
ウェンディを攫ったブレインの意図が読めないコブラをそう言い放った。
それに対しブレインは笑みを溢して答えた。
「天空魔法・・・・・・治癒魔法の使い手だ」
「「「!!!!!」」」
ブレインの言葉にオラシオンセイスの全員が驚きの表情を浮かべる。
治癒魔法がロストマジックであるということともう一つ、ブレインの考えも分かったからだ。
それをブレインは更に不敵の笑みを浮かべ自ら公言した。
「あの娘が入れば『あの男』を復活させられる。そすれば我らの悲願も達成する」
その直ぐ、オラシオンセイスはその場から霧のようになって消えた。
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「ゲホッ!ゲホ!・・・・・どうなってんだ?何で俺たち・・・・」
ブレインの攻撃を受けたはずの連合軍。だが、辺りには攻撃を受けた形跡も無く、
現に連合軍は誰一人としてやられては無かった。
「皆の者大丈夫か!?」
そこに声が響いた。その声の方を向くと、
「ジュラ様!!」
「おおお!?」
シェリーの声にグレイも顔を上げたが、ジュラの見事なツルッパゲに声を上げる。
「オラシオンセイスめ。我々が到着した途端逃げだすとは。
さては恐れをなしたな」
「あんたボロボロじゃねぇか!!」
一緒にやってきた一夜の状態を見て、またグレイが突っ込む。
少ししてカムイは起き上がると、辺りは見渡した。
「・・・・あいつら、完全に消えたな。クソッ!何であいつらウェンディを!
「あいつら〜〜〜!!よくもウェンディを・・・・・!!」
「エルザ!!!」
ナツは声を荒げ、今すぐにでもオラシオンセイスを追いかけようとしたが、
ルーシィの叫びに立ち止まった。見ると、エルザが敵からやられた毒により
苦しみ立ち上がれもせずにいた。
「敵の毒だ!まずいよ!!このままじゃ毒が全身に回って・・・・・!!」
「ウェンディなら助けられるわ。今はバラバラに戦っている場合じゃないでしょ?
力を合わせてウェンディを救うの」
全体がパニックになりそうになったところ、シャルルの言葉が周りを落ち着かせる。
「ウェンディは治癒魔法の使い手よ。解毒に解熱、痛み止めに傷の治癒も出来るわ」
「治癒魔法って・・・・ロストマジックじゃなくて?」
「もしかして天空の巫女ってのに関係ある?」
シェリーとルーシィの言葉にシャルルは少し間を置いた後答えた。
「・・・・あの娘は天空の滅竜魔導士。天竜のウェンディよ」
「「「ドラゴンスレイヤー!!?」」」
その言葉に全員が口を揃えて驚いた。
「そ!だから私たちに必要なのはウェンディなのよ。
そして何故かあいつらもウェンディを必要としてる」
「・・・と、なりゃあやることは一つじゃねぇか!
ウェンディを助けてエルザを救うんだ!!
行くぞ!!!」
「「「おう!!」」」
——————————オラシオンセイス拠点地——————————
「ここは・・・・・・」
「気が付いたか」
ウェンディが目が覚めた所はかつて古代人が神事に使っていたという洞窟。
「・・・・・・・」
「そう身構えるな。うぬに危害を加えるつもりはない。
うぬにはこの中にいる人物を治して欲しいのだ。その力で」
ブレインの横にあるのは厳重に鎖が巻かれた十字型の棺桶。
その鎖が少しずつ解けていく。
「私悪い人に手は貸しません!!」
「いや・・・貸すさ。うぬは必ず、奴を復活させる。なぜなら・・・・・」
その確信に満ちたブレインの言葉。そこで言葉を切り棺桶の蓋を開ける。
それにより中にいた人物の姿が露わになった。
「!!!!」
その人物の正体にウェンディは目を丸くして、言葉を失った。
「この男の名はジェラール。かつて評議院に潜入していた。
つまりはニルヴァーナの場所を知る者だ。
今は高濃度の魔力を浴びて昏睡状態に陥っているが、うぬなら治せよう。
『恩人』・・・・・なのだろう?」
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「ねぇカムイ、どうしたの?もう皆ウェンディ助けに行っちゃったよ?」
皆がウェンディ救出に向かう中、カムイとレナは殆どその場から動かず、何かを探っていた。
「ウェンディは勿論大事だけど、それは皆に任せる。俺は少し別の事を調べる」
「別の事って、ニルヴァーナのこと?」
「・・・・・いや、悪いがそうじゃねぇんだ・・・・・。
悪ぃけど俺は少し別行動を取る。レナはヒビキとルーシィと一緒にエルザを守っててくれ!」
「あ!・・・・カムイ!!」
カムイはそう言うとレナを置いて一人で森の奥の方へと行ってしまった。
その道中、カムイは自らに感じる感覚に酷く戸惑っていた。
(何なんだこの感じ。感じたこともねぇ魔力。多分ニルヴァーナの力なんだろうけど、
その筈なのに!どうしてあんたの匂いがチラつくんだ!
トルトニス!!)