二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 68話更新 ( No.254 )
- 日時: 2013/01/04 23:36
- 名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
69話〜妖精VS鬼〜
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
爆煙が舞う中、言葉を失い佇むグレイとシェリー。
「探すぞ!!あいつがあんなので死ぬはずがねぇ!!来い!!!」
そんな中最初に口を開いたのはグレイだった。
グレイはそう言うと、魔法で階段を作り上げ下へと降りていった。
「・・・・・・」
それを見ても全く動こうとしないシェリー。
シェリーの心の中は深い悲しみに覆われていた。
(リオン様が・・・・・リオン様が!!なぜ・・・なぜ!?)
深い悲しみの中、何かがシェリーの中で切れた。
(こいつのせいでリオン様が?)
————————————————————
(ちっ)
物影に隠れ、ジェラールの後をつけているコブラ。
そのコブラが心の中で舌打ちをついた。
(こいつ、心の声が聴こえねぇ。聴こえれば後をつける必要もねぇってのに。
・・・・・・・・止まった)
ジェラールの歩みが止まったことで、更に身を潜めるコブラ。
そして注意深くジェラールの前にある木を見渡した。
僅かな光沢を放ちながら、魔法の鎖で繋がられた木。
(この無気味な木。放つ魔力。まさかここにニルヴァーナが・・・・・)
コブラの胸が躍る中ジェラールは一歩前へ出て手を翳すと、
鎖が解き放たれ強い光と共にそれが姿を露わした。
(ついに見つけた!!俺たちの未来!!)
————————————————————
「ふ〜〜。終わりました。
エルザさんの体の中から毒は消えました」
「「やったーーーーー!!」」
時は僅かに遡り、場所は連合軍の駐屯地。
そこにはヒビキとルーシィ。それと毒に侵され倒れているエルザ。
そしてそこに先ほど合流したナツとウェンディ、ハッピーとシャルル
ウェンディの魔法により解毒されたエルザは顔色も良くなり、命の問題も無くなった。
「これでこちらの問題点は無くなった。エルザさんが目覚めたら反撃の時だね」
「うん!打倒オラシオンセイス!!!」
—ピカッ!ゴオオオオオオオオオオ!!!—
「え、なに!?」
エルザ回復で士気の上がる皆だが、その時眩い閃光と共に空に黒い光の柱が昇った。
「まさか・・・・あれがニルヴァーナ!?」
「オラシオンセイスに先を越されたの!?」
皆が口々に解き放たれたニルヴァーナに食い入る中、ナツはその光を見て強く拳を握りしめた。
「あの光に・・・・・ジェラールがいる!!」
「ジェラール!?」
ナツの言葉にルーシィは反応するもそれには答えず一人で先走って行ってしまった。
「会わせるわけにはいかねぇんだ!エルザには!あいつはおれが潰す!!」
「ねぇ!!ジェラールってどういうこと!!?」
ルーシィは大声で叫ぶもその声はもうナツには届かなかった。
「・・・・・・・」
その声を聞いていたのはナツ以外の全員。・・・・・エルザも含めて。
————————————————————
「爆発音・・・・・誰かがもう戦ってるのかな?」
時は更に遡り、場所は西の廃村近くの石場。そこに一人でいるのはレナ。
カムイは追いここまでやってきたが、もう自分がどの辺にいるのかも分かっていなかった。
「・・・・・私も何時までもカムイ追ってないで、ウェンディを助けなくちゃ」
自分が連合軍の一員だということを改めて思い直し、カムイに頼るのではなく、
自ら行動して皆の役に立とうと決意し行動しようとするレナ。
「てめーにそれは出来ねーよ」
「!!!」
謎の声が響いたと思ったら突然、火の渦が上がりそこから一人の男が現れた。
「てめーはここで俺にぶっ殺されるんだからな」
男は肩までかかる長髪に、黒みのかかった赤いコートを着、
顔左半分には炎を模した刺青が彫られている。
「敵!?」
「闇ギルド・無双の双死鬼のゼイルだ。さっそくだが・・・・・・・」
男は少し面倒くさそうにそう言うと、
地面から巨大な四本の炎の蛇がレナを囲うように現れた。
「!!」
「死ね。プロミネンス!」
「きゃあ!!」
声を合図に炎の蛇がレナを包み込み、辺りを一瞬で火の海へと変えてしまった。
「ふん。雑魚か・・・・・・・・ん?」
辺り一面火の海に変わったこの場所で僅かな影を捉えたゼイル。
それを見て僅かに口角を上げた。
「ドレスチェンジ・火巫女」
そこには巫女衣装に身を包み、少し火傷を負いながらも立ち上がるレナの姿があった。
衣装の袖の部分には火の文字が浮かび上がっている。
「やるなぁ。俺の炎受けて立ってられるなんてな。その魔法服のおかげか?」
余裕の笑みを浮かべるゼイルだが、頭の中では起きた現象を冷静に分析していた。
(つっても換装する時間なんて無かったし、下に着込んでたようにも見えなかった。
少し変わった魔法を使いやがるな。それに俺のプロミネンスを喰らってあの程度のダメージ)
ゼイルの分析の中、レナは辺りの状況を見渡した後口を開いた。
「あなたも火の魔導士なんだね」
「ああ!?」
その言葉にゼイルの表情が一変した。まさに鬼のような表情を浮かべ、
レナへと突っ込んでいく。
「俺をそこらの糞魔導士と一緒にすんじゃねぇ!!」
ゼイルはそう言うと跳躍しレナの真上を取ると右手を翳した。
すると辺りの炎がどんどんゼイルへと引き寄せられ、その全てが
掌に球状として収まってしまった。
「エクスプロージョン!!」
—ズゥゥゥウンン!!—
「!!」
その球状をレナへと突き出すゼイル。レナがそれをかわし球体が地面に触れると
地面が一瞬で消し飛んだ。それを見てレナは言葉を失った。
彼の魔力の高さは確かにすごいが、今の魔法に込められた魔力はそこまでではなかった。
それなのにこの破壊力。普通に考えてこの破壊力は考えられないものだからだ。
「俺を魔導士と思うなよ。俺は・・・・・・『炎祈師』だ」