二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 19話更新 ( No.37 )
- 日時: 2011/08/11 21:26
- 名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
12話〜レナ〜
「それにしても、でけぇ家だな。なんで金持ちは
こう家をでかくしたがるのかねぇ」
カムイは見上げる様に家を見る。しばらくするとチーが屋敷の方から飛んできた。
「どうだった。チー」
チーが一声鳴く。カムイは満足そうに頷くと、チーについて行った。
チーが案内した場所には窓が一つあった。
そこから中を覗くと、兵士がいた。窓は閉まっている。
カムイは向こうが気づくように、窓を叩いた。
「ん?誰かいるのか」
兵士が疑問に思い、窓により鍵を開けて辺りを伺う。
その瞬間を狙ってカムイは部屋に侵入し、兵士たちを一掃する。
「侵入成功」
カムイは兵士の一人をたたき起こし胸倉を掴む。
「ここに領主の嫁として連れてこられた女がいるはずだ。どこにいる?」
カムイの静かだが凄まじい気負いに兵士は震えながら
「あ・・3階の・・階段・・上がって右から・・4番目の部屋です・・・・」
カムイは兵士を離すと、何も言わずに部屋を出て行った。
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「3階の右から4番目の部屋か・・・ここだな」
目の前のドアの前で呟く。ここまで誰にも見つかっていない。
うまく言っているのだが、いきすぎていて逆に不安に感じる。
カムイはドアのノブを回し、押す。僅かな軋みと共にに少しずつ開かれている。
そしてそこに一人の女の子がいた。歳は自分より幾らか下といった感じだ。
「あなたは・・・」
女の子は顔は生気がなく、元気のない声で言った。
「依頼であんたを助けに来た。とっとと逃げるぞ」
カムイがそう言っても、女の子は全くの無反応。助けに来たと言ったのに
全く反応なしでは、どうもやる気が出ない。
「・・・お前、名前は?」
「・・・・レナ・・・」
女の子は若干遅れ気味で自分の名を名乗った。
「レナね。そんじゃあ逃げるぞ」
カムイはレナに近づく。すると
—ヒュン!ヒュヒュン!!—
地面からいきなり剣が飛び出してきた。
「!!!」
カムイがとっさに後ろに下がり、かわす。剣は天井に着くと吸い込まれて消えた。
「今のは・・・」
カムイがもう一度近づく。するとまた同じように剣が地面から飛び出し、天井で消えた。
「これはお前がやってんのか、レナ」
レナは辛そうな顔で見てくる。どうやらレナではなさそうだ。
「これで分かったでしょう。私には近づけません。帰ってください」
カムイは黙ったまま、またレナに近づいた。剣が飛び出す。
チーがカムイに近づき鳴く
「絨毯の下に術式がレナを囲むようにして書かれていて、
それの範囲に入った途端に剣が飛び出してきたって事は、レナの辺りは
大丈夫だってことだよな」
カムイがレナとは反対方向に歩き出す。レナは安心した顔で見つめる。
しかし、ドア付近めでくるとこちらに向き直った。カムイは大きく深呼吸をする。
「すーはー。よし、いくぞ!!」
カムイがレナに向かって一直線に突っ込んだ。途中で剣が体に
当たっても気にせずに突っ込み、とうとうレナの元にたどり着いた。
「な・・なんて無茶するんですか!下手したら死んでたかもしれないんですよ!?」
レナが心配や不安、恐怖。いろんな表情が混ざった顔で言った。
「いてててて。まあ、死ななかったからいいんだよ。それに、
こうでもしなきゃ、お前の元にたどり着けなかったしな」
そういってレナに笑顔を向ける。
しかし、レナはその笑顔に対して微妙な反応をし
「こ・・ここからどうやって出るつもりですか?」
「ん〜。周りは行けないしな。だったら・・・レナ、俺につかまっていろ」
カムイの申し出に素直で従うレナ。カムイは拳で電気を纏わせる。
「あ・・あの、どうするつもりですか?まさか・・・」
レナは嫌な予感がして尋ねる
「床をぶち破る」
その答えにレナはカムイを止めようと
「だ・・だめです!!この下は・・・・」
しかし、そこまで言うと黙り込んでしまった。カムイは少し不思議がったが、
他に方法もなかったので、そのまま拳を床に叩きつける。
—ボカァアアン!!—
床は見事に壊れ下の部屋があらわになる。
しかし、その部屋はなんと剣山で埋め尽くされた、部屋だった。