二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 19話更新 ( No.38 )
日時: 2011/08/11 21:54
名前: アビス (ID: dFf7cdwn)

12話〜難関〜


「チー!!レナを頼む!」

チーはレナを掴む。レナは空中で止まったが、カムイはそのまま
剣山の床に落ちていく。
レナが目を覆う。カムイはまた拳に電気を纏わせる。

レナは恐る恐る下を見ると、そこには剣山の上に立つカムイの姿があった。
よく見ると、カムイの辺りの剣山が溶けている。

「うまくいったな。エリゴールとの決闘は無駄じゃなかったな」

カムイは今度は出口に向かって手を振り上げる。
すると電気が一直線に走り、剣山が溶けた。

「よし、電熱の使い方は覚えたな」

出口に向かって歩く。その後ろからチーがレナを掴みながら着いて行った。
出ると、上と同じような廊下が並んでいた。チーがレナを降ろす。

「ごくろうさん、チー。レナ、大丈夫か?」

「は・・はい。それよりも、あなたは大丈夫ですか?
剣山の上に落ちましたけど」

「ああ、大丈夫。刺さる直前に電熱で溶かしたから」

「雷系統の魔法をそんな風に使えるなんて、変わった魔法ですね」

その言葉に少し驚きはしたが、カムイは辺りを見渡して

「警備兵は0か。ここには何人くらい警備兵がいるんだ?」

そう聞くとレナは少し俯いて

「私にはわかりません」

「そうか・・・とりあえず出うちを目指すか」

そう言って歩き出す。しかし、レナは着いてこない。

「どうしたんだよ。早く来いよ」

そう言って手を差し出す。その手にレナは少し躊躇したがその手を取った。
二人はしばらく歩き続けた。その間も警備兵は見なかった。

しかし、カムイはそれ以上に気になることがあった。レナのことだ。
さっきからずっと手が震えている。何かにずっと怯えているのだ。

「なあ、レナ。お前ずっと・・・」

理由を聞こうと後ろを振り返ると、そこで見た光景に言葉が止まった。
レナの後ろから猛スピードで通路を埋め尽くすほどのドリルが音もなくこちらに向かっていた。
カムイはすぐさまレナを抱きかかえて走る。

レナは以前震えたままだ。カムイはその肩をぎゅっと強く抱き、ドリルから逃げ続ける。
ある程度いくと、今度は前から先ほどと似た剣が飛んできた。

「くそ!!どうなってんだ。この屋敷は!!?」

飛んでくる無数の剣を必死に避けながら前に進む。
後ろで剣が粉々に砕ける音が聞こえる。

「!!出口だ!」

カムイの目に大きい広間が見えてきた。だが、自分と広間の間の通路が
閉じられようとした。閉じるスピードは速い。
カムイはさらにスピードを上げる。

幅が残り僅かという時にその間に飛び込み、反対側に無事に抜けた。

「はあ、はあ。危なかった。もう少しでサンドイッチになるところだったな」

レナは信じられないという目でカムイを見た。すると、遠くのほうから拍手が聞こえた。

「いや〜信じられないよ。あの仕掛けを生きて出てこれるなんて」

そう言って現れた男。身なりがやけに良い。

「フェルー様」

レナが呟く。フェルーは存在に気づいていなかった様子で

「レナか。お前がそこにいて無事ということは、お前・・喋ったのか。
いや、でもあれが発動していないからこいつは自力で・・・大したものだな」

フェルーが呟く。何を言っているのか分からない。
レナは怯えながら自分の首の辺りを触れる。

先ほどまでは気にかけていなかったが、ネックレスが付いていた。
宝石と思しき物はなぜか点滅している。

「このネックレスがこいつが怯えている理由なのか?」

「さあね、私に勝てたら教えてやってもいいよ」

「上等だ」

フェルーはにやける。それと同時にカムイが突っ込む。
するとフェルーが右手を差し出した。

「レイズメイク・ユニコーン」

「なに!?」

不意の攻撃に成す術なく、カムイは攻撃を食らってしまった。

「私をただの領主と思ってなめない方がいいよ」