二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 19話更新 ( No.40 )
- 日時: 2010/04/07 23:15
- 名前: アビス (ID: prO3xdH6)
15話〜トルトニス〜
カムイから殺気は消えたものの、魔力はさっきとは別人に近い。
フェルーはそれを肌で感じる。
「驚いたね。でもこれならどうだい」
フェルーが両手を合わせる。すると今度は両壁から光の壁が出て
カムイを押しつぶした。
しばらく何も音はしなかった。だが、ピシッ!!という音と共に先ほどと同じように砕け散る。
カムイは無傷だ。
「そ・・そんな馬鹿なことがあるのか」
フェルーが後退る。カムイはレナに近づくとネックレスに手をかけた。
「馬鹿め。それはレナと私以外の者が触ると始動する仕組みになっている」
フェルーの言う通り、ネックレスの宝石が点滅し始める。
だが、カムイは一向に離そうとしない。
「どうした!!なぜ離さない!?早くしないと本当に死ぬぞ!!」
フェルーが大声で言う。だが、カムイはレナに微笑みかけ
「レナ。俺とあいつ、どっちを信じる?」
レナは不安そうな顔で小さな声だったが
「あなたを信じる」
確かにそう言った。そして次の瞬間
—ドーーン!!—
ネックレスが爆発した。
「くっ!あの男、本当にやりやがった」
舞っていた煙が次第に晴れていく。その仲に一人たっている人物がいた。
「貴様!よくもレナを、許さん!!」
構えるフェルーに対してカムイは悠然な態度で
「よくそんな口がたたけるもんだ。呆れるな。
第一レナは死んでいない」
煙が完全に晴れる。するとそこにはレナが座り込んでいた。
首にはあのネックレスはしていなかった。
レナはまだそれが嘘かのように自分の首にふれる。
カムイがしゃがみこみ
「これでお前を縛るものはなくなったぜ」
カムイの言葉にレナは涙を流しながら抱きついた。
その顔は笑顔で飾られていた。どんな宝石よりも輝く満面の笑顔。
「っとと。喜びたいのは解るが後にしてくれ」
カムイはレナをそっと離すと、フェルーの方に向いた。
「くそ!!どうやったかは知らんが、よくも首輪を外したな。
しかも、レナにそんな笑顔を出させるとは。
レイズメイク・ペガサス!!」
フェルーの魔法がカムイを襲う。だが、それもあっという間に消されてしまった。
「な!?お・・お前、一体何の魔法を使っているんだ!?」
「名前はない。あえて言うなら、トルトニスかな」
カムイが小さくつぶやいた。
「トル・・トニス?なんだ、そんな魔法は聞いたこともないぞ」
「そりゃあそうだろ。名前はないっていったんだ。トルトニスってのは俺の育て親の名前だ。
トルトニスしか使えなかった魔法を俺が教えてもらったんだ。
絶対に使わないことを約束してな」
「なんだそれ?魔法を教えておいて、使うなって」
フェルーがそう言うと天井に手を向ける。カムイが魔法を出すと
天井の一部が一瞬で塵と化した。
「人間相手にはあまりに危険すぎるって意味だ。強力な魔導士でもこれを喰らえば一瞬で
灰と化すからな」
「人間相手・・・だと」
その言葉が気になり繰り返す。
「ああ、これは人間以外の脅威を目の前にしたときにそれを阻止するために
生み出されたエンシェントスペル」
そう言うと、カムイはフェルーに近づく。あまりの速さにフェルーは目でさえも追いきれなかった。
「た・・たすけ・・・」
助けを請うフェルーをカムイは左手を思いっきり突き出した。
「雷掌(カミヅチ)」
カムイの一撃がフェルーの腹を捉える。フェルーは壁を突き抜け、庭に放り投げだされ
十数メートル吹き飛ばされ、動かなくなる。