二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 参六更新v ( No.169 )
日時: 2010/05/03 20:45
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:            ────イカれた神には制裁を



■━━…参七


「と、いう訳で、我等が泉菟ちゃんはあそこに置いて来ましオブフゥゥ!??」

「「この腑抜け天然パーマメントがァァァア!!!」」

万事屋に帰宅後、銀時はあった事を最初から最後まで余す事なく話した。
そうしたら、新八と神楽の鉄拳が顔面に飛んできた。

ガッターンと椅子ごとぶっ倒れる銀時。
「いってェな、何しやがんだコノヤロー!!」と腕を組み仁王立ちする2人に怒鳴りつける。

「見損ないましたよ銀さん、待ってろなんて言って、連れ戻してこないなんて」
「だからお前は銀ちゃんなんだヨ、マダオなんだヨ。
 泉菟が戻ってこないと冷凍庫にあるアイス食べていいか聞けないネ、どうしてくれるアルカ!!」
「え、神楽ちゃんそっち?」

ゴゴゴと怒りのオーラをあらわにする2人に、銀時は
「話聞いてなかったのか!? 稜弥と約束して来たんだっつってんだろーが!! 
        泉菟の事も心配いらねェって! そんでもってアイスは俺んだ!!」
と、頭と顔を撫でながら、目に涙を溜めて言った。

「いやアンタのかよ!!」とツッコんだ後、新八は続ける。
「そんな事より銀さん、仮にも泉菟さんを誘拐した人ですよ!? 
 そんでもって弓で怪我を負わせた人ですよ!? あの紫色の人、簡単に信用しちゃいけませんって!!」
焦った顔で銀時にそう言った。

神楽もこればっかりは新八と同意見な様で、うんうんと相槌をふっていた。

「だーっから、前に言っただろ!? 俺と泉菟とあの紫馬鹿は一緒に攘夷戦争で戦った事がある腐れ縁だって!!」
「そんなの初耳ですよ!!」

銀時は「あれ? 言ってなかった?」と拍子抜けした。

「んー… じゃあ言ってなかったら良い機会だし、話してやんよ。聞くだろ?」

銀時がそう言うと、新八と神楽は少し間を置いて、こくりと首を縦に振った。


━━━━

季節は多分夏。
忙しく蝉が鳴き、新緑が萌えるこの季節。
俺等の元に、なんかちっせーガキがやって来た。

「え、晋ちゃん何このチビ」
「拾った」
「え? 何? 銀さん良く聞こえなかったんだけど、ヅラ、高杉何て言った?」
「俺もよく聞こえなかった、坂本、何て言ったこやつは」
「さぁのぉ、わしも聞こえんかったき! あっはっはっは!! 晋助もう1回言ってくれんかの」
「拾った」
「「「はいィ!?」」」

そんなやり取りを俺等が繰り広げている中で、
そのガキはにこりともせず、ただ外に激しく降り続ける雨をずっと見つめていた。

「外で、もう少し先の松の下に居た」
高杉はそう言うと、ぽんとそのガキの頭に手をのせた。
が、ガキはそれを払いのけ、縁側からヒョイッと外へ駆けていってしまった。

「…なんか、嫌がられてね? 拾った割には」
「…高杉、まさか拾ったというのは嘘で拉致してきたと言うのか」
「してねェよこの天パとウザ長髪が。ンな事言ってる暇があったら追いかけて来いや」

高杉にそう言われた俺とヅラは渋々追いかける事になったのだが、
俺は面倒だったのでジャンケンをして負けたら追いかけるという事に持ち込んだが、結局俺が負けて、俺が追いかけるという形になってしまった。

「あっはっはっは!! わしは無視? ねえわしは無視?



外は雨が降っていた。
地面もぬかるんでいて、とても滑りやすかった。

「ったく、何で俺がこんな事……」
どこまで行きやがった、あのクソガキ。

ザバザバと激しく降る雨が鬱陶しい。
庭には居らず、仕方なくもう少し先のほうに行ってみる事にした。

そこで、やっと見つけた。少し先の方へ行った道のど真ん中に、そのガキと、何故か泉菟が。

泉菟は屈んでそのガキに何か話している様だった。

「泉菟ー」
俺がそう呼ぶと、泉菟は困ったような顔をこちらに向け、ちょいちょいと手招きをした。

泉菟とガキの近くに寄ってみると、ガキは赤黒い着物を泥だらけにし、わんわん泣きじゃくっていた。

「勢い良く転んでしまったらしく、怪我をしているようだ。…銀時、この童は一体」
泉菟がそう尋ねて来たが、どう答えればいいか分からず、とりあえず俺は2人を連れ、また戻ってきた。

さて、高杉に事情をアイツの耳にタコが出来るまで聞いてやろう。

■━━…