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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.39 )
- 日時: 2010/01/17 22:09
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』
■━━…弐四
稜弥が扉を開けると、そこには河上万斉が居た。
万斉は手を上げて稜弥に挨拶をした。
『あれ? 万斉が来るなんて珍しいな。何か用?』
稜弥は眠たい目をゴシゴシと擦りながら万斉を見る。
万斉は、そんな稜弥を見て
「これは失礼した、お休み中だったでござるか?」
と、申し訳なさそうに言う。
『いや、違うんだ』と稜弥は笑って誤魔化す。
「なら良かったでござる」
万斉はそう言ってにこりと微笑んだ。
稜弥はその笑みに、少しだけ和んだ。
『(万斉は優しいからな、どこぞの自分勝手な隻眼と大違いだよねーまったく)』
こっそりと、高杉への不満をぶつけながら。
しかし、そんな万斉も、稜弥の気分までは考えられず、
「晋助が探していたでござる」
と、何とも爽やかに言ってしまう。
稜弥はその言葉を聴いた途端、一時停止状態になった。
『え…、万斉、今なんて…』
「だから、晋助が稜弥殿を探していたでござる」
『…』
悪気は無いから許せるんだけどさ。
もうちょっと万斉が空気読めるようになったら、俺すっごい嬉しいよ?
そんな我儘が通るわけ無い。
ガックリと項垂れる稜弥。
今、高杉に心底会いたくない稜弥にとって、この一言は3tの鉛が心を踏み潰した様な物だった。
『あー…行かなきゃ駄目かな、万斉…』
「当たり前でござろう」
『……』
■━━…
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