二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ■━…紫弓 【銀魂】 ( No.47 )
日時: 2010/02/19 22:12
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:    ──『真実を探しただけで、お前に何の得がある?』

■━━…弐六


「銀さん、どうしましょうッ、泉菟さんが…!!」

「ンなこたァ分かってら、とりあえず落ち着けダメガネ。こういう時はな、すぐにタイムマシンを探すんだ!!」

「ちょっ、こんな時までダメガネ呼ばわりですか!? ていうかアンタが一番落ち着けェェ!!」

風の様に過ぎ去った稜弥に誘拐された泉菟。
新八は泉菟の事で気が気じゃなく、とても焦っていた。
それは銀時も神楽も同じ。

神楽も先ほどの稜弥の脅威を見たせいか、口をポカンと開けていた。
そして小さく不安そうな声で「銀ちゃん」と呟く。

ハア、とため息をつく銀時。

「めんどくせェ事になったモンだぜ…」

「と、とにかく、泉菟さんと稜弥さんを追いましょうよ銀さん!」
「そーアル! 早く泉菟を取り返さないと、泉菟戻ってこなくなっちゃうかも知れないヨ!!」

新八と神楽が必死な顔で銀時を見つめる。
確かに、早いとこ泉菟を取り戻さないと、もっと面倒な事になるかもしれない。

それ以前に、銀時たちにとって大切な家族である泉菟が誘拐されたのだ。拉致されたのだ。
許すわけにはいかない。この激怒極まりない行為。

しかしだ。銀時は考える。
新八や神楽を連れて、あの危険思想な高杉の所に連れて行くわけにもいかない。

稜弥が泉菟を連れ去ったにしても、全ては高杉が命令した事。
新八や神楽にまで危害を加わられても困る。

「あの野郎…、ふざけやがって…!!」

静かに怒りをもらしても、何も解決しない。

銀時は大きく深いため息をつくと、港の方向へ走り出す。

「銀ちゃ…」

「銀さん、追うんですか!? 僕達も行きま」

神楽と新八の言葉を遮って、銀時は言った。

「テメー等が居たところで面倒事が増えるだけだ! 俺が必ず泉菟を取り戻してきてやっから待ってろ!」

銀時の口調は厳しく、神楽と新八は何も言えなくなってしまった。

銀時の後姿が見えなくなったところで、新八は

「神楽ちゃん、やっぱり僕、心配だよ」
と、神楽に不安そうに言った。

しかし神楽は、
「何言ってるアルカ」
と、強気になって言ってみせる。

「今は銀ちゃんを信じるネ。銀ちゃんは必ず泉菟を取り戻すって言ったアル。私もあの白髪天パの言う事だから不安だけど、銀ちゃんだってキメる時はキメるヨ。絶対泉菟は帰ってくるアル」

神楽の其の言葉に、新八の顔もフッと綻んだ。

「そうだね…じゃ、僕等は夕ご飯の支度でもして待ってようか」

「今日は新八が当番だから私はやらないけどナ」

「うわ何それ、雰囲気台無しじゃん!」

■━━…