二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.7 )
- 日時: 2010/01/15 18:56
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』
■━━・・・四
『やーまーざーきー!! 聞いてよー!! 俺会議室追い出されてー………、って、あれ?』
山崎の部屋の扉を、ノックもせずガラァッと開けた半ば涙目の稜弥。
しかし、そこはもぬけのから。
辺りは山崎の影も形も見えず、ただシンとしていた。
『なんだアイツ、どっかに行ったのか……?』
今日は俺が呼ぶまで部屋にいろ、と言ったのに。
稜弥は少しイラッとくるが、頭を振ってその思考を掻っ消した。
稜弥は戸を閉め、ボウッとしたまま歩き出した。
そうだ、俺一人で真選組を潰しに行こうかな。
そんな馬鹿げた事考えて。
『(いや、マジで潰そうかな)』
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「!!?」
山崎は思わず目を見開く。
そんな計画を練っていたのか。
今までの会話から、そんな事は一切感じ取れなかった。
真選組屯所爆破テロ。
大胆すぎる強行、いや、狂行。
こんなのがあの町中にある屯所なんかにされてしまったら、江戸一帯はパニックになる。
「(これは大変な事だ、これは早く、局長に知らせないと・・・)」
山崎は屋根裏からそっと出ようとした。
しかし。
運が悪かったのだろう。
ガタタッと山崎の肘が、ある柱に強めに当たってしまい。
大きく目立つ音が、会議室に鳴り響いた。
「でけェ鼠がいるようだなァ…、ククク」
高杉がそう笑う声が聞こえた。
「……ヤバい」
山崎はそう言うしかなかった。
「曲者だァ!!」
「捕まえろォ!!」
会議室に居た者の大半は、天上に向かって攻撃を繰り出した。
来島は1発、また1発と銃弾をガンガン天上に撃ち続けていた。
山崎は屋根裏の片隅に寄り、何とか事なきを得て居た。
さて、その銃の音や刀が出す音が一気に鳴り止むのは、この一言の2秒後である。
ダダダッと廊下を1人の隊士が走ってきた。
「た、高杉様ァ! 皆さん! 大変です!!」
その顔は青く、冷や汗と思える水滴を額いっぱいに滴らせ、とても重大な事が伺える。
「どうしたんですか、そんなに騒ぎ立てて」
武市が力ある目でその隊士を見つめると、隊士は切れ切れとした息を整えながら言った。
「稜弥様がッ! 稜弥様が、今から真選組を1人で壊滅させに行くって、俺らの言う事なんて気にも留めずに、ついさっき一人で出て行ってしまったんです!!」
さて、先に言ったように、先ほどまで鳴り響いていた騒音は、この一言の2秒後、ピタリと鳴り止んだ。
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