二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.9 )
- 日時: 2010/01/15 18:59
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』
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「はーいちょっとちょっとー、ちょっと止まってーお兄さーん」
ピピーッと小さく吹いたその白いホイッスルは、とあるドS少年に口に咥えられていた。
両手を広げて〝STOP"という様なポーズで、歩いてきた稜弥を止めた。
『(……めんどくせェ奴に会っちまったなァ…)』
怪訝そうに顔を顰める稜弥は、笠を目深に被り、沖田の言う事も聞かず、肩にぶつかりながら進もうとした。
今、コイツに用はない。
俺は〝真選組"潰したい。
稜弥の頭の中は、それだけしかなかったから。
粉雪がちらついて来た午後11時。
人っ子一人居ない、車の通りが少ない道路。
真選組が攘夷取締法に基づき、夜間取締りをしていたルートに、稜弥が通ってきたので。
その職務を全うする為に稜弥を止めたのだが。
「…オイオイ、警察の言う事無視たァいい度胸してんじゃねーかィお兄さんよォ」
少々喧嘩腰になるのは頂けないが、沖田は稜弥の肩をガシッと掴んでそう言った。
『黙れ。俺ァ急いでんの。それとも何、もう俺の正体バレてたりして?』
笠を目深に被っているため表情は良く分からないが、密かに笑みを浮かべているのは沖田に分かるはずがなく。
次の瞬間には、稜弥の首元に刀が当たりかけていた。
「その通りだぜィ高杉…、攘夷取締法違反及び武器密輸容疑、ああそれと公務執行妨害、ついでに俺をイライラさせた罪で現行犯逮捕でさァ」
カチャッと沖田の刀が鳴る。
ズラズラと罪名を言っていった後、沖田は刀にグッと力を込めた。
『いやー…、本当ならテメーぶっ倒してさっさと行くとこ行こっかなーと思ってたんだけど…、気が変わったわ』
笠を取り、ブンッとどこかへ投げる稜弥。
『腹立つ顔見んのも今日でしめーにしてやる。お前を倒しても少しは手柄になるよな?』
透き通った紫の眼は、スッと沖田を見据えた。
そして稜弥は、背中の弓入れに入ってる弓を一本取り出した。
「それはあれかい? 俺を殺すって言いてェのかィ?」
笑えねェな、と沖田は真剣な顔つきになる。
次の瞬間。
目にも留まらぬ早すぎる攻防が始まったのである。
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