二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】−白い絆− last up.091027 ( No.8 )
- 日時: 2009/11/03 22:28
- 名前: 暁月 ◆1pEIfYwjr. (ID: mdybEL6F)
その瞬間何があったのかは、まだ寝惚けてていた銀時の頭では理解の仕様が無かった。
「おはよう」
零自ら銀時に声を掛けたのだ。躊躇いながらもほんの少し微笑んで。起きて直ぐだからなのか暫くの間、ぼーっとしてしまった。
昨日何かあったのかと、考えた。
「……別にお礼とかじゃないんだから!」
頬を朱に染めてそう大きな声で言った零はそのまま晋助達を引き連れて部屋を出ていった。
「俺が何したってんだよ……」
銀時は一人でそう呟いて、くすりと笑ってから三人の後を追いかけた。
八、前よりも
「零、お前がここに来てもう暫く経つ。ここのくらしには慣れたか?」
「いや、私まだ2週間しかここにいないんだけど」
ずず…とお茶を啜りながら小太郎は零の話も聞かず続ける。
「悩みは無いか!?俺が聞いてやるぞ!!」
がしり、小太郎が零の両手を握り真っ直ぐに目線を合わせて強引に言うものだから最初は断ったものの零が先に折れた。
「勉強が分かんないです……」
待ってました、そう言いたげに小太郎の眼が光った。
零にとっては勉強なんてどうでもよかったのだ。地下に閉じ込められている間、色々な大人達を見て来た。が、皆読み書きできなくて当たり前であった。かくゆう零もその一人。勉学など教えて貰う事も無ければつい最近まで耳にした事も無かったのだ。
ここに来てからも特には学びたいとは思いもしなかった。晋助と同じく先生を眺めているだけだったのだ。
「よし、俺が教えてやろう」
「俺も混ざってい?」
ひょいと横から銀時が顔を出した。もしゃもしゃ音を立てながら饅頭を食べている。
「スミマセン、アンタだけはやめて下さい」
銀時が抱え持っている饅頭を一つくすねて口へ運んだ。あーっ!銀時はあんぐり口を開けて零の顔を半泣きになりながら見つめた。
「頭悪そうだもの、アンタ。バカだから白髪が生えてくんのよ」
「はぁー!?バカにすんなよコラ。テメーみてーなガキよりかはずぅーっと頭良いですから!?俺!!」
銀時はそう言われてかちんと来たのだろう。お互い胸倉を掴みあってぎゃあぎゃあ揉め合った。傍らでもう慣れた、と言わんばかりにお茶をすすり和んでいる小太郎。その隣に晋助が立った。
「さっきの、俺も混ぜろ」
混ぜて下さいだろう、晋助に見向きもせずそう言い放った。アレ如何にかしなくていいのかよと晋助は小太郎に言った。が
「止めなくても良い。……見ろ」
零に指を差し満足げに笑いながら
「いい表情をしてると思わないか?」
小太郎につられて笑った晋助。そうだな、と小太郎の言葉に同意し
「良くなった」
昨日までが嘘みたいに。