二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 涼宮ハルヒの願望 ( No.4 )
- 日時: 2009/10/16 12:36
- 名前: みやっさん´・ω・`) ◆E53IZBWzfE (ID: yoFsxiYW)
第二話
この頃ハルヒの様子がおかしい。と、いうと三日前俺が業務日記書いたあの日からか?
教室では、ハルヒが頬杖ついて座っている。
「よう、ハルヒ。ここんとこ浮かない顔してんな」
「別に」
ハルヒはそれだけを言い、窓に浮かぶ風景を眺めた。
やはりまずかったのか……。
「ねぇ、キョン」
ハルヒから発言してきた。
「キョンはさ、あたしとみくるちゃんと有希とさ、どういう性格の方がいいの?」
なんだ? 恋愛相談か? 俺に?
「馬鹿。違うわよ。いいから早く答えなさい」
「それが人に聞く台詞か……。まぁ、そうだな、」
やっぱさ、優しくて、気が利く女子がよろしいと……。
「あんたさ、」
と、俺が二言目を言おうとしたがここでハルヒが制止させた。
「みくるちゃんの事考えていってる?」
「なっ————!」
なんて言うか、その時のハルヒの表情は一瞬だけ餌を欲しい目をしている猫のような目のようだった。何というか、何というか、何というか……。
「えっ、うぅ、あぁ……」
もちろんこの後どう第二声を繋げばいいのかも分からず、ハルヒはしばらく沈黙を置いた後、
「やっぱいいわ」
なんならこんな時間かけるで聞くのもないだろ。と思いつつ三時限の授業が始まる前にハルヒは足早に教室を出てしまった。
やっぱりハルヒの様子は変わりもしなかった。
放課後——。
はは、心配なさそうだ。
SOS団に顔を出すなりテンションもそれなりに戻ってる。
朝比奈さんの淹れたお茶を美味しそうに呑み、新着のコスプレ衣装を勧めたりと憂鬱そうに見えなかった。
まぁ、百面相な奴だからな。飽きっぽいし、何かを鬱気味に考えていてもそれはほんの一瞬かもしれないな。
さて、今日の記録日は俺だっけか?
『今日は至って普通に過ごした。
おなじみに古泉と将棋で対局して。俺が勝った。
長門は、読んでる本がそんなに面白いか? まぁ長門の趣味だし口出しはしないけどな。
ハルヒにいたっては相変わらずな奴で朝比奈さんで遊んだりメイド服を着せ写真を撮ったりと、楽しそう
な奴だ。 以上』
ふー。日記なんて小学生の時でもろくすっぽやってねぇからな。なんか良い感じもしてきたぜ。
「随分と書けてますね」
そう言って古泉は記録集を眺め微笑む。
「お前が案を出すなんて珍しいじゃないか?」
俺は記録集を持って問いかける。
「ええ、こういうのも良いかと思いまして」
「嘘だ」
なんで俺がこんな事を言うのか? わかるはずだ
すると古泉フッと肩を落として。
「さすがあなたです。気が付いてくれると思いました」
なめんな。いいからなんで考えたのか教えろ。
「具体的にそうですね。SOS団の記録のもなるし、」
「ハルヒの観察もできて一石二鳥ってか」
ここで俺は古泉が言おうとした台詞を言ってやった。
お前ならこう言うだろ。
「読まれましたか」
古泉はオーバーなリアクションをとる。
まぁ、機関の事だし何かの活動がてらそっからなんかセコい提案でも出るのかと思ってね。
「そうです。ようは証拠を残すんです。もしこの団になにかあったら、対処できそうになかったら。もういっかい読み直すんです。すると何かが起きたり……とかですね」
「言いたいことは別に反論はする気はないがどうも時系列的に今から日記をやるというのは俺はどうも卒業日記しかわからん。どうしてもっと早くからやらないんだ。曰くでもあんのか?」
すると古泉は喉の奥をクックッと鳴らしながら笑う。
「まさか。予知能力でも働かせたわけでもありませんよ。もっとも『機関』は涼宮さんの「魔」をバスターするだけであってそれ以外なんも超能力的な力は持ってませんよ。曰くって訳でもありませんが、上の方から……記録を残せってね」
社交命令ってやつか。
「涼宮さんの毎日をレポートするのと一緒です」
心なしか少し機関の行動に気味の悪さを感じる。
「まぁ、それを言う人も少なくはないんですけども、まぁ、とりあえず続けましょうよ」
証拠品ね……。本当に役にたつのか。
「いつかの話ですよ。本当に何もなければ何もないでいいじゃないですか」
まぁ、俺もそう願うがな。
そう願いたい。だが、こうして古泉と会話している時から歯車の食い違いっとか昼ドラの愛憎劇でよく聞いたりするが、本当に俺達の目の前で起きてしまうなんてな……。
そう、その事件は休み明けに起きた。
ちょうど俺が空欄か一言書きの業務日記をグレードアップさせて書き始めてから一週間経ったという訳だ。
三月もあと一週間半経ちそうなある日——。
三月の下旬だが、今年は割かし暖かいので桜もあちらこちら三分咲きまでになっている。
早く咲くのはよろしいが新入生が来るまでは葉桜になってんじゃねーぞ。
っと心の中で語りかけながら、何時もの坂。何時もの学校、何時もの教室へと向かった。
ここまでは何時も通りだった。……が、しかし。
「よう、ハルヒ」
と、何時ものあいさつ。これも日常的にはハルヒは無視して窓の向こうでも見てるだろうよ。
しかし、あいさつをしたや否やハルヒは俺の方を向いて教室だというのに特製SOS団スマイルをむき出し、
こう言ったのだ。
「おはよう! キョン!!」
「……あーおはよう、ハルヒ」
これは何の風の吹きまわしか、誰かが俺にあいさつしろよっ! みたいに言ってハンマーでぶっ叩いたのか、
「ハルヒ?」
「ん? 何?」
「珍しいな。返してくれるなんて。占いでもいい順位でも言ったのか?」
まぁ、大抵なら占いなんてうたい文句は信じない主義なんだがな。
「あいさつされたなら返すに決まってるじゃない。常識よ」
常識? こいつが?
「そうなのか? 俺はいつも無視するお前を目撃するのだが?」
そう言った時ハルヒは頭を傾げ、
「何の事よ? いつもあたしは誰に対してもあいさつするわよ?」
そう言った時教室に入って来た女子にハルヒは片手をぶんぶん振って、
「おはよう!!」
「おはよう、涼宮さん」
「おはよう」
など、返って来た。
はてさて、俺はこいつがクラスの女子と会話しているのを全く見てないはずだ。しかし、今こうしてこいつが一方的にクラスの女子に挨拶して、表情も——。
SOS団に見せる表情そのものだ。
————何か違う。おかしい。
「ハルヒ!!」
「な、何!?」
突然大きな声を出してしまったのか少しハルヒが驚き気味でいた。
「次の朝比奈さんのコスプレ衣装は何にするんだ!」
俺がこの質問をすれば、ハルヒだって「今は女王様を考えてるけどね」とか、「もうちょっとヒラヒラなメイド服!」とか、そんな変態的な事を答えてくれる筈だ。
しかし、————。
「みくるちゃんに? そんな淫らな事する訳無いよ!
何言ってんの?」
と、高笑いで受け流す。
嘘だ! あの奇人変人なハルヒだぞ。
「じゃあさ、一週間前に会議した宇宙人(略)については?」
すると、ハルヒは眉を顰めて言う。
「宇宙人? 未来人? 超能力者? あたしそんな事
話したけど……。なんか、興味無くなっちゃった!!」
……は?
「なんか人間離れな事考え過ぎたなぁ……って、
思ったの。今のSOS団は残すけど、皆には申し訳ないけど、活動方針をもう一回一から決めましょう。なんか、いっつも自分の意見ばっか貫いてきたから。だからね、キョン、ごめんね」
——と、謝罪を口にするハルヒ。何が起きたかいまいち分からん。え? 非日常に飽きたのか? そういう事なのか? ハルヒ!!
「お前、なんかおかしいぞ。どうした、そんな正気な
心構えになっちゃって……」
笑いながら誤魔化す俺。
「あたしは何時も正気よ。もうそんな非日常から逃げるの。現実だってまだ面白いし、……恋愛だって、してないし」
ここは、ハルヒの創った新世界なのか? 確認のため
に、俺はすぐ教室を出た。
「ちょっと! キョン。予鈴なったよ〜」
予鈴? 知ったこっちゃ無い!! 俺はすぐに隣の六組
に行き長門を捕獲。俺が状況を言う前に「九組へ」と
短い発言。お前も分かってたのか。
そして九組へ、教師がまだいなかったので、古泉を
捕獲。古泉は何時ものニヤケハンサムでは無くなってる。
眉を寄せ深刻そうな顔をしている。
そして二年の教室へ行く途中、泣きながら駆けてくる
朝比奈さんを見つけ、集合完了。
どうやら全員説明しなくてもいいんだな……。
この状況を。非日常を好まなくなったハルヒを……!!