二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: — 涼宮ハルヒの嫉妬 — ( No.11 )
- 日時: 2009/10/31 09:41
- 名前: song (ID: p17IpJNR)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=12630
事故現場から約四キロメートル。時間にして1時間弱を越えてようやく俺達は家に着いた。
「さて、帰ったはいいものの、この状況をどうやって親に伝えればいいんだ……? 」
少し前から思ってはいたことだが、家を前にしてどうしていいのやら、分からなくなってしまった。
「素直に言っちゃダメなの……? 」
女の子も不安げに言った。
「そうしたいのはヤマヤマなんだが……」
実を言えば、親に報告したくないのは自転車の件ではなく、この子を巻き込んで今一緒にいると言う事だ。
「……? 」
そして、女の子が首をかしげているところに、悲劇は起きた。なんと、家の玄関が内側から開いたのだ。
「あら、どうしたの……? もう学校始まるでしょうに」
更にあろうことか、母さんが出てきてしまった。
「あぁ、その……」
なんとか状況を整理し、上手いこと伝えるべく俺は必死に脳をフル回転させた。しかし——……
「あらあらあら?」
母さんは、焦る俺でもなく、大破した自転車でもなく、真っ先に女の子の存在に気付いた。
「あ、どうも……」
ぎこちない雰囲気の中、女の子は母さんにお辞儀をする。
「これは、どうも」
そう言いながらも母さんはこの状況を必死で理解しようと、俺や壊れた自転車を見回した。
「……またハデにやらかしたモンだねー! 」
状況理解が済むと、大きなため息とともに苦笑いが出る。
「……ご、ごめんなさい !!! 」
突然、女の子が謝った。
「おやまぁ……——気にしなくてもいいんだよ、自転車が無きゃ歩けばいいんだし! 」
「えぇ ?! 」
他人事だと思って母さんはとんでもないもと言い出した。
「はぁ」
当然、女の子も困惑している。
「ところで、あなた名前は? 」
「あ、そう言えば聞いてなかったな」
会話がぎこちないと思っていたのはこのせいだったのだ。
「・・・し、島尾 日和(しまお ひより)」