二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: — 涼宮ハルヒの嫉妬 — ( No.24 )
- 日時: 2009/10/31 09:48
- 名前: song (ID: p17IpJNR)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=12630
「おーし、皆席つけー! ホームルーム始めるぞ」
担任が教室の戸を開け、入るなり頭をボリボリ掻いて現れた。
「起立! 礼! 着席! 」
クラス委員長が元気良く挨拶し、引っかかりだらけの今日の一日が始まる。
「えー、明日から冬休みに入るわけだが今、転入生の紹介がある」
「!」
来た。俺の予感は間違うことなくピタリと的中した。
え? 今日? 明日から休みなのに? という疑問の声をよそに、ギラギラした視線が俺の後頭部を刺した。
「キョン聞いた?! 転入生ですって! それも冬休み前日に! あー私今日は何かが起こる気がしてたのよね! 」
高らかな歓喜を俺は冷や汗前回で受け止める。
「そーだな……」
はっきり言ってテンションは上がらない。すると……
「入れ」
担任がその一言で戸が開き、クラスメイト全員の視線が集まった。そして、その視線の先には……——
「し、島尾 日和です。よろしくお願いします」
見覚えのあるそのポニーテールの女の子は間違いなくひよりだ。あー頭痛い。
「まぁ、これから暫く休みが続くから、今日は顔見せみたいなモンだ。おら、皆から質問でも何でも聞いてやれ」
嬉々と語る担任はおどおどするひよりの代わりに話を進行した。
「おー! 結構可愛いぞ! 」
「もう静かにしなよ。みっともない」
お決まりのように谷口は雄たけび、国木田が制止する。その行動はクラスをさらに盛り上げた。
一方のひよりは真っ赤なカオをして突っ立ている。まぁ当然と言えばそうか。そして始まる質問タイム!
「誕生日と星座は? 」
「十月四日の天秤座……」
「趣味とか特技は? 」
「い、以前に絵を描いていました」
「『ひよりん』って呼んでいい? 」
「……はい?」
「スリーサイズは? 」
「ほえ? 」
「好きなタイプは? 」
「え?え? 」
だんだんと質問の趣旨が変わり、ひよりは混乱する。気付けばクラスメイトのほぼ全員に囲まれていたのだから。そして、こんな質問まで……
「どこに住んでいるの? 」
当然その質問にひよりは戸惑っていた。ちらっと一瞬俺を見たようにも見える。
「ちょっと事情があって……友達の家に居候してます……」
考えあぐねたのか、それともウソを付きたくなかったのか、ひよりは俺の家とは言わなかった。俺にとってもそれはありがたい。
気のいい連中に、すっかり馴染んだひよりであったが、ひっそりと息を潜めるヤツが放課後を待っていた!