二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: — 涼宮ハルヒの嫉妬 — ( No.4 )
- 日時: 2009/10/31 09:38
- 名前: song (ID: p17IpJNR)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=12630
俺は毎日往復する長く急な坂を下り、自転車置き場まで走って降りた。すでに学校中を走り回った後だから下り坂でもかなり足にくる。
「ハァ、ハァ……」
体力の限界を感じつつも、一目散にハルヒの家へと自転車のペダルをこいだ。
「今頃はもう古泉は神人と戦っているのだろうか……」
色んなことが頭に浮かび、わけが分からなくなりそうだ。そしてようやく……——
「着いた……」
何回か見たが、中々の豪邸だ。
不審者に見えないよう、深呼吸をしてバテバテのこの状態に回復を図った。
「ふーっ! 」
だいぶ落ち着いてきたところで、家のインターホンに指を掛ける。しかし、妙に緊張する。ハルヒに何と言って謝ればよいのか……
「いや、素直に謝ればいいんだ……」
俺は覚悟を決めてインターホンを押す。
「ピンポーン」
寂しげにインターホンは鳴った。そして数秒後
「はい……どちら様でしょう……?」
女性の声だがハルヒの声ではない。母親だろうか……?
「あ、夜分遅くにすいません。ハルヒさんの級友の……」
俺は一応礼儀正しく挨拶をし、名乗ろうとしたが、
「まぁ、もしかしてキョン君?」
なんと、母親にまで俺のあだ名は浸透していた。しかし、なぜ級友と言っただけで俺と分かったのだろうか?
「は、はい。そうです。」
どぎまぎしながらも俺はちゃんと返事をした。
「ちょっと待っててね、今ハルヒ呼ぶわ……」
随分と気さくな母親なようだ。
「はい、お願いします」
しかし、いざハルヒに会うとなると緊張する。言うべきことは決まっているというのに……すると
「もしもし……? 」
ハルヒだ!
「俺だ。話がある……」
緊張が募ってか、言葉が硬くなる。
それに、すぐに謝るのも変だろう。
「…………いいわよ、入って!」
「お、おう」
俺はてっきり外で謝ればいいとばかり思っていただけに、少し動揺した。
「どうしたの? 早く入んなさい! 」
気のせいか、いつもより怒りがあらわだ。
「わかった……」
俺は快く承諾しハルヒの家に入った。
「お邪魔します……」
正直、ハルヒの家に入れられるとは思っても見なかった。