二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: — 涼宮ハルヒの嫉妬 — ( No.8 )
- 日時: 2009/10/31 09:40
- 名前: song (ID: p17IpJNR)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=12630
第二話 デステニー デイ
「…………」
無言。ただそれだけ。
正直、何が書いてあるのか気になってしょうがなかったのだが、実際にこの眼で見てしまうと見なければよかったと思うことが多いだろう。しかし、鏡で額を見ながら言うセリフでもないことは確かなようで……
『大好き』……——ただそう書いてあったのだ。
ハルヒに似つかない。いや、らしくないと言った方が妥当だろうか? なぜならハルヒは決して素直ではないからだ。
ハルヒのことだから、同じニュアンスを書くにしても相当遠まわしに書くだろうし、その上『大』なる文字をつけるだろうか……?
まぁ、かくあれハルヒの気持ちを俺は大いに理解してしまった。
俺はハルヒが言ったことに同調して自分の気持ちを伝え、謝った。そして、ハルヒも行動を持って自分の気持ちを伝えた。
それは、ハルヒは俺の辛辣な言葉に怒っただけでなく、無関係扱いされたことに『悲しみ』もしたのだと言うことを示した。
ハルヒは『俺』を想っていたのだ。
俺は……どうしたらいい?
— 翌日 —
妹が無理矢理起こしに来る10分前。すなわち午前7時ジャストに俺は目が覚めた。
夢一つ見なかった俺は爽快な気分だ。何の序章もなく、平和な時間がただただ過ぎて行く。だが、うかうかもしていられない。ハルヒとの約束があるからだ。
「はぁ……」
俺は訳もなくため息をした。いや、心地よさの余韻に浸りたかったのかもしれない。と、そんな折……
「キョンくーん! 起きろーッ! 」
妹がお約束のごとく、俺の布団に飛びついて来た。だが、今日は一足早く起きたため、飛びついたのはもぬけの殻。
「残念だったな」
俺は皮肉そうに妹に言った。
「ムムムム……」
妹は何やら頬をふくらませ、唸っている。
「いじけるなよ。ほれ、いい加減降りろ」
俺は、布団にうずくまっている妹を引っぺがし、リビングに連れて行き、一緒に朝メシを摂った。
その後、俺は手早く身じたくを済ませ、玄関へ向かった。
「いってきまーす」
普段どおりの風景と日常を感じながら俺は自転車に乗った。
「うぅー。だいぶ寒くなってきたな……」
コートにうずくまり、白い息を吹かしながら俺はいつもの通学路を進んだ。道は霜が蔓延り、よく見れば、草木の表面は凍りついて非常に幻想的だ。まさに冬の朝という感じだ。
しかしうかうかもしてられない。途中、氷の張った部分が道にいくつも見受けられた。気を付けなくては……——
学校までは自転車が主な通学手段であり、壊れでもしようものなら毎日が遠足状態だ。
だから思う、これからの出来事でハルヒとの関係がより複雑化して行くだろうことを……—— それは偶然の出来事だった。
「うわぁッ !!! 」
俺はとっさに自転車から乗り出で、無理矢理自転車を倒し、最悪の事態を免れた……—— その日、俺は角から突然走って出てきた女の子を危うく自転車にぶつけるところだったのだ。