二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D.Gray-man † 運命の歯車 † ( No.11 )
日時: 2009/12/01 21:00
名前: 悠 ◆FXzmrZiArI (ID: w3Re2V0V)

     † 第一章「ヴァル」  第十四夜 †


 「しかし、何で方舟が使えないんでしょうね?」

ただ今、コムイからの命令で列車に乗って教団まで戻っている。
何時間も列車に揺られるなど、もう無いだろうな。
そんな風に考えていたが、実際は違うかった。

方舟を使える場所が無い。
こんな街というより、村のような田舎では教会のような施設は無い。
よって、アレンたちは列車に揺られ愚痴を言いながら帰っている。

 「仕方ないさ。田舎じゃ無理だって」
 「じゃあ、出来るようにすればいいんです」
 「出来ないから列車に乗ってるんさ」
 「変な物ばっかり造ってるコムイさんに頼めばいいんですよ!」

アレンの言う変な物とはコムリンシリーズのことだろう。
だが、あんな奴に頼んでもこればかりはどうしようもないように思う。
だが、そのことは言わないでおいた。
もし、言えばアレンからの凄まじい攻撃が飛んできそうだった。

ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン________。

もうすぐ、列車はイギリス内へ入りそうだ。



 「室長!アレンたちが帰ってきましたよ!!」

リーバーが室長に声をかけるが、コムイは一向に起きそうもない。
ハァ、とタメ息が勝手にこぼれる。

 「コムイはまた寝てるんさ?」
 「早く起きてください、コムイさん」
 「さっさと起きやがれ!!シスコン野郎!!!!」

神田が蹴りを何度か喰らわしても起きそうもない。
やはり、あの言葉がなければ起きはしないんだろう・・・・・・。

そこへ、欠伸をしながら誰かが部屋に入ってきた。

 「何だ、お前ら帰ってたのか・・・・・・」
 「ヴァル!!!」

ヴァル・インディーズ。
この教団の中で一番の面倒臭がり屋のエクソシスト。

 「この前、任務に行きましたよね?」
 「もう帰ってきたんさ!?」
 「あぁ、イノセンスも持って帰って来たぞ」

そう言ってカバンからケースに入ったイノセンスを出した。
偽者ではなく本物のイノセンスだった。

 「任務に行ったのはいつだ?」
 「五日前」
 「場所は?」
 「ドイツ」
 「何人で?」
 「俺、一人」
 「じゃあ、何でそんなに早く任務が終わる!!」

質問をした神田を含め、ラビとアレンも叫んだ。
イノセンスなんてその国のどこにあるかなんて分からない。
ましてや、一人で行って、移動時間も含めてその期間で取ってくるなんて・・・・・・。

 「任務なんて面倒だ。さっさと終わらせて帰りてぇしな」

________________どんだけ任務が面倒なんだ!!!!!!

 「で、肝心のコムイが何故寝てる」

そうだった。こんなことよりコムイだ。起きてもらわなければ困る。
やはり、ここはあのお言葉がいるらしい。

五人で目をあわした後、五人とも構えた。
そして__________________。

 「最初はグー、じゃんけんポン!!!」


 「おっしゃ!!」
 「クソッ!!」

歓喜の声と悔しいというか、何で俺が??という声が聞こえた。

 「ヴァルが起こしてくださいね」
満面の笑みで言わないで欲しい。
 「自分が悪いさ」
 「弱いな」
その口を黙らせてやろうか?
 「殺されるなよ?」
リーバー、冗談になってないぜ。

こんな面倒なことは嫌だがそうも言ってられないので、ヴァルは覚悟をした。
深呼吸をする。緊張している。正直、怖いのかもしれない。

 「_____リナリーが結婚するってよ」
 
 「・・・・・・」

冷たい汗が頬を伝う。

 「何だってぇぇええぇ!!!!!!!!!!!!
  駄目だよ、リナリーぃ!僕を置いて行かないで!!
  っていうかどういうことだい!ヴァルくん」

________やっぱり、こうなった。


そして、この誤解を解くのに二十分かかったとさ。


                          つづく