二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D.Gray-man † 運命の歯車 † ( No.3 )
日時: 2009/11/29 16:41
名前: 悠 ◆FXzmrZiArI (ID: w3Re2V0V)

     † 第一章「ヴァル」  第十二夜 †


 「________あーあ、あんまりイノセンスのネタバレしないでよ?」

そう言いながらブラックホールのような穴から出てきたのは、
お坊ちゃまと言える服装の白髪で黒い瞳の子供。
そして、執事のような格好の焦げ茶色の髪に藍色の瞳を持った男。

そこにいるだけで、威圧感が感じられる。
まるで、首に刃物を突きつけられていているような感覚。

周りの空気が重く感じる。身体全体も重い。
頬から冷や汗が流れ落ちる。身体は金縛りにあったように動かせない。
その二人から目をそらすことができない。
もし、そらしていたらいつの間にか、二人が後ろにいてる。
なんてことがありそうだった。

二人はそのまま歩いて空を歩いた。カツ、カツ、カツと靴音が聞こえる。

丁度、アレンとラビのいる位置と神田とレギのいる位置の真ん中ぐらいの位置で二人は動きを止めた。

自然にレギ以外の三人は構えた。イノセンスもゆっくりと発動する。
心臓の音が聞こえそうだった。

 「レギ、僕は戦えって言ったけどそこまで能力出さなくてもいいんだよ?」

黒い瞳はレギを真っ直ぐ見つめる。レギは答えず、魂狩りをそっと下ろした。

 「聞いてる?……まぁ、いいけどね」

そして、今度はアレン達の方を向いた。

 「君たちに質問するよ。君たちはエクソシストだったりする?」
 「あ、あぁ、そうだ」
 「じゃあ、この街には異変を調べに来たんだね?」

実際は違うが、結局はそのことを今調べているのでそうなる。
少し考えてからアレンは頷く。

 「最後の質問。……僕ら、“ヴァル”のことをどれだけ知ってる?」

その瞬間、黒い瞳には殺気が宿ったような気がした。背筋がゾッと寒くなった。

                __________ヴァル。

聞いたことがない。“僕ら”と言ったのだから人種かなにかなのだろうか?

 「知らないなら別にいいんだけどね。じゃあ最後に自己紹介。
  僕はヴァルのシュピア。こっちは同じくヴァルのイーゼル。以後よろしくね」

そう言った瞬間風が唸った。風に包まれて二人の姿は見えなくなる。

 「待て!」

叫ぶが、時は既に遅し。
そこには何も残ってなく、ブラックホールもいつの間にかなくなっていた。
神田が急いでレギの姿を探すがレギの姿もなくなっていた。

三人だけがそこに残されたのだった。


                          つづく