二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D.Gray-man † 運命の歯車 † ( No.4 )
日時: 2009/11/29 16:42
名前: 悠 ◆FXzmrZiArI (ID: w3Re2V0V)

     † 第一章「ヴァル」  第十三夜 †


________________ここは黒の教団本部。

アレンたちの行った任務は思わぬ方向へと進む事となった。
ヴァルのシュピア、イーゼルという人物とレギ・インフォルトと名乗る者。
それと、ユアーシュというもの。

 「____室長、本当にそう名乗ってたんスか?」
 「電話ではそう言ってたよ?」

と、コムイは返事をするがこんな単語は聞いた事は無い。
“ヴァル”というのは出身の街や人種とかそういうもので、
“ユアーシュ”というのも街などと推測されるが、歴史上には載っていない。

 「この任務の最初の目的なんでしたっけ?」
       「_______確か、ファインダーとイノセンス探しだったかな?」
 「ファインダーとイノセンスどうするんですか?」
       「……引き続きアレンくん達にしてもらうしかないじゃないか」
 「でも、どうやって?無理ですよ、絶対」
       「______なんで?」
 「ファインダーが行った所ってその街の人達に案内されたんでしょ。
  最後の連絡してきた電話で言ってましたよ」

ザワザワと、科学班の声が大きく聞こえた。
リーバーとコムイのあいだに長い長い沈黙が続いた。

沈黙を破ったのは、コムイだった。

 「じゃあやっぱりアレンくん達には帰ってきてもらおう!」
       「_____連絡してきます」





 『_______ってことだから、帰ってきてくれ』
 「あ、はい。分かりました」

アレンたちは勝手に人の家の電話をゴーレムに繋ぎ電話をしていた。
あれから。少し、あの三人組を探したが見つからないのでとりあえずコムイに
電話をしよう、ということになった。

 「コムイさんが一旦、帰ってきて欲しいんだそうです」
 「それなら仕方ねぇ。帰るさ」
 「ただ、ここに来ただけじゃねぇか」

扉を開けて外に出るともう空はオレンジ色に染まり始めていた。涼しい風が吹いていた。
リーン、リーン、と虫も鳴いている。

 「なぁ、これって不法侵入とか言わねぇの?」

ラビがさっきまで入っていた家を指差して言う。

 「仕方ありませんよ、これは。誰も見てないし、いいじゃないですか」
 「_____おい、アレン」




______________さて、ここは真っ暗な空間。

三人分の足音と吐息しか聞こえない。風景も真っ暗なまま。
不意にシュピアが足を止めた。そして、振り向きレギの真正面に来る。

 「無駄な行為はしてないよね?あと、余計なことも言ってないよね?」
       「____あぁ、言ってない」
 「本当?
  ______でも、イノセンスを第二解放までしてたじゃない」
       「____あれは敵が強くてだな……」
 「まぁいい。今度から君一人で行くんじゃないし。
  助けも求められず、ユアーシュも助けられず、僕らに協力するしかないんだよ」
       「____え?……ちょっと待て!話が違うかないか?
        オレが協力すればユアーシュは壊さないって……」
 

 「__________________信じてたの?」

今の数秒間がもっと長く感じられたような気がした。
嘘であって欲しいと何十回も思ったかもしれない。
胸にその言葉が突き刺さる。何も言えない。反応できない。

ドン________________!!!!!!!!!

首にかなりの痛みを感じた。意識が薄れる。二人の姿が見えにくい。
頭がクラクラする。声が出ない。自分が倒れていくということが分からなかった。


                   __________ドサ。



そのまま、レギは気を失った。


                            つづく