二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 雲雀恭弥の頭の中【REBORN!】番外編up!アイデ ( No.11 )
- 日時: 2009/11/29 23:22
- 名前: 風梨 (ID: UTtYHGn5)
番外編 part1 『雲雀恭弥』
【Porpora spazio dentro sogno】
深い藍色の闇の中、僕らは浜砂に立っていた
寄せる波が素足にあたる
冷たさも、何も感じない
ただ、僕らは踊っている
青白い、月の光をバックにして
海の静かな波の音をワルツにして
僕の腕が、体が、君を『操る』
……………僕は、本当に操っているのだろうか?
波の音と、時折ステップの勢いでとぶ「ピシャリ」という
水しぶきの音しか聞こえない中、ふと思う
青白い月光に照らされて映った君の口元が、余裕に微笑んで見えた
僕は、君が分からない
ただ君が、純白のドレスを着て、
僕に操られるのを楽しそうに、
軽やかなステップを踏んでいる事しか、
『僕には分からない』
………分からなくていい。なにも、考えなくて。
ただ、僕らは踊っている。
時間の流れを感じることは無い。
その時に、僕は操られた
君はそっと、僕のタキシードのポケットの位置に
柔らかな白い手を置いて言った。つぶやくように。
「あなたには、黒がよく似合う」
僕は何も言わず、ただ、微笑むだけだった
『僕は操られた』
君の顔が僕に近づいてくる。
そして、そして……………………。
(コツン
さっきとは違う暗闇の中で、僕はゆっくりと目を開いた。
「ヒバリ、ヒバリ、オキテ、オキテ、ジカン、ジカン !! 」
額にぶつかった小鳥が、小さな翼を羽ばたかせながら ピー ピー と騒いでいる
小鳥がぶつかった箇所を摩りながら、僕はゆっくりと立ち上がった。
そして、誰にともなく こう つぶやく
「さて、誰を噛み殺そうか」
いつものあざけ笑うように言った冷酷な言葉は屋上の風にさらわれていった
もう、夢の事は覚えていなかった
((ギィィ
校内へと続く鉄扉が、重そうに開く音がいつまでも頭の中にひびく
ヒバードが肩に乗る時の、少しの重さと、温かさを感じた
((バタン
〜end〜