二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 雲雀恭弥の頭の中【REBORN!】番外編up!アイデ ( No.13 )
日時: 2009/11/29 23:23
名前: 風梨  (ID: UTtYHGn5)

 番外編 part2 『六道骸』

【viridc color is purple's place in Dream】

一面 当たりに広がる鮮やかな季節は………

                氷のように冷たい

  見渡すかぎりの木々
  
      人がいない


目を閉じてみる
 
 聞こえてくるのは 風の音と

    ……………………涙の雫が落ちる音


細いイチョウの木に寄りかかった私の前に、

一人の女性が、泣いていました。

透き通る程 白い肌の女性

きっと、私がその頬につたわる涙を拭った瞬間

彼女はもろい、ガラス細工のように、

  『音を立てずに壊れるのでしょう』


 私は、この女性を知っているのでしょうか?

目の前にいる彼女が泣きじゃくっているのを見ていると






                               痛い





胸の奥から、熱い物がこみ上げてくるのを

やっとの事で押さえながら 私の言った一言は…………


『 本当はもっと違う事を言いたかった

  君の事を、もっとよく理解したかった

  もっと、もっと、もっと…………

  けど、そんなのどうでもよくて、

  せめて、
 
   「ごめんね」と言わないでください

         とか

       笑ってください

         
                        ………………とか。                    
                            』




あいにくと、私の口からでた言葉は、

          皮肉にも……………………………………………

     
    「泣かないでください」


                          笑っていた





 私が両腕を広げたら、彼女が飛び込んで来た


 …………………あたたかい


 僕の出来る事は、ただ、彼女を抱きしめる事

それだけだった

 僕の中に『あるもの』を くずさないように、

 けして『涙』など こぼさぬように、

     すべては、自分を守る為に………………。





 凛とした青い空

 鮮やかなイチョウと、

 燃えるような楓の落ち葉で

 敷き詰められた 静かな空間は、

     静かに…………寒い冬が来る事を告げていた









 「ムクロさん………
       骸さん?」

気がつくと、私は帽子をかぶった眼鏡の青年に起こされました

「やあ、千種かい?」

「はい………
  おどろきました、何故ここにいるのですか?」

ここは、廃墟と化した『ヘルシーランド』の屋上だった

「クフフ、初冬の凛とした空気を吸おうとしに来たのですが………うたた寝をしていたようですね」

 いつもと変わらない、余裕そうな笑い方を聞いて、千種も少し微笑んだ



 骸の脳裏には、この夢が入る隙間なんてない。

 Becouse. あの『鮮やかなイチョウ』と『楓の落ち葉』のように、

『復讐』と『野望』で敷き詰められているのだから



                         ~end fall~