二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: BLEACH 零を背負う者 ( No.19 )
日時: 2009/12/05 20:01
名前: 湯山 アヤカ (ID: VTrHJ6VV)

19 それぞれの覚悟
  紅葉 視点
 「はぁ〜 よし、俺にまかせろ、紅葉」
 楓兄ちゃんは、私に向かって優しく笑いかけながら答えた。
 「おい、醒竜せいりゅう、出て来い。お前のバカ弟をなんとかしろ」
 すると、楓兄ちゃんの斬魄刀から、緑髪で奏雀と顔立ちのそっくりな女の子が出てきた。
 私達の斬魄刀は、実体化すると双子の姉弟なの。私と楓兄ちゃんのようにね。
 奏雀のお姉ちゃんである醒竜は、出てくるなりに、奏雀の頭にパンチをかました。
 「主人マスターに迷惑かけちゃだめだって、いつも言ってるでしょう?!」
 「うるせぇーな、姉貴。俺は紅葉ちゃんや楓君を助けてあげようとしたんだ!!」
 「助けたいなら、主人マスターの話にちゃんと従いなさい!!今、紅葉さんは戻れって言ってるなら、戻りなさい!!!」
 「古い考え方だな、ババァ」
 醒竜のこめがみがピキッと音をたてて、青筋が浮かんだ。
 血管、切れちゃうよ…
 「私達は双子だろうが!!私がババァなら、お前はジジィだぁーー!!」
 姉弟ケンカが始まっちゃったよ。これ、前よりヒドくなってるよ…楓兄ちゃん、俺にまかせろって言ってたのに……
 「楽しそうね、私も混ぜてちょうだい」
 「うるさいぞ、お前達」
 現れたのは——
 「水華!」
 「副隊長さん…!」
    ——だった。
 醒竜も奏雀も、ケンカを止めている。この二人、水華が怖いみたい…
 昔、水華がキレたのを見て、トラウマになったらしんだ。
 「じゃ、俺戻るから」
 「わ、私も!」
 二人はそう言うと、私と楓兄ちゃんの刀に戻った。
 「つまらないの。はぁ、私も戻るわ」
 水華も戻り、私達三人だけになった。さっきの賑やかさが嘘のように、しーんとしている。
 「僕は隊長を信じている、隊長が僕を信じてくれたようにね」
 副隊長さんは、顔をしっかりと上げて言った。
 「俺達もだ。な、紅葉?」
 「うん!」