二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: BLEACH 零を背負う者 ( No.22 )
日時: 2009/12/05 20:16
名前: 湯山 アヤカ (ID: VTrHJ6VV)

22 るかの誘惑
  舞奈 視点

 自分の部屋の天井を見て分かった、目が覚めたんだ。

 えっ!朝の9時?あたし、15時間以上寝たの!?

 「おっはよう〜 舞奈ちゃん」

 わぁっ!! びっくりした…って、藤原ー!! なんで、ここにいんのぉー!?!?

 「あははは〜 舞奈ちゃん、びっくりしすぎだよ」

 藤原は窓から入ってきたらしい。

 「な、何しに来たの?」

 「空白の一日…それを、舞奈ちゃんは思い出した?」

 突然、藤原がこう言った。

 「なんで…それを?」

 なんで? なんで? なんでそれを知ってるの?

 空白の一日…

 あたしは一日だけ記憶が抜けている……

 それは、あたしが炎帝を手にしたばかりのとき。初めておじい様に四大貴族の集会に連れて行ってもらったの。兄様とおじい様と一緒に、集会所に行った事までは覚えてるけど… その後はもう……

 「まぁ、いいや。それより、明日は隊首会があるのよね」

 げっ…そうだった……卯ノ花隊長のこと、どうしよう!!

 「そうだよ。あたし、ちゃんと出席するから。あたしの私用で、隊の印象を下げるわけには、いかないわ」

 「さすが隊長ね」

 藤原はそう言いながら、まじまじとあたしの顔をみつめた。そして、大きくため息をつく。

 「それにしても、あなた、昔とずいぶん変わったわねぇ〜」

 その言葉は、グサッとあたしの心に刺さった。

 「それだけを言いに来たの。じゃあね〜」

 藤原は手を振りながら、また窓から出て行った。

 あいつが去った後の静かな部屋で、ある思いが脳内に浮かんだ。

 あたしは…変わった?だから、兄様達は気付いてくれないの……?

 そりゃあ、50年も経ってるから色々変わったのかも知れない…

 兄様はあの後、緋真さんと結婚して、ルキア姉様を妹として迎えて、六番隊の隊長になって…ものすごく冷徹になったけど、あたしには分かる!! 兄様はやっぱり昔のように温かくて、優しい。

 でも、あたしは?

 あたしは、零番隊の隊長になって、男装して、卍解を修得して、ホロウ以外の人のいっぱい、殺して……

 そっか、もう昔のあたしじゃないね。

 あはは、でも大丈夫…だって、あたしは泉 珠なんだから……