二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ◆D灰◆終焉ノ曲芸…愚カナ道化 ( No.5 )
日時: 2009/12/06 11:48
名前: なさにえる (ID: 2FwfSENv)

   第7夜  ……侵入


「ドーラ姉〜♪」
  「お姉ちゃん〜」

孤児院のドアを開けたとたん小さな子供たちが飛び込んできた。
「また機械いぢり?」
「そのお兄ちゃんたちはぁ?」
「誰ぇ???」
答える間もなくアレンたちまで子供たちに取り囲まれて袖を引っ張られたりよじのぼろうとしたり……。

「なにぃ〜」
 「変な服!!!」
「白髪が二人もいる!!!」

まったく容赦ないいわれようだ。

      「白髪かぁ……」
        「……………」
  ため息をつくアレンとそっぽをむくハイネ。
   「子供ってある意味で残酷よね」
         「気にするな、アレン。たかが白髪って言われ手ぐらいで」
           「そうそう、たかが白髪だろ」

     「…………」

ラビとヴァルの絶対確信犯の言葉に余計傷つくアレンだった。


「この人たちはシスターのお客様よ。だから騒がない」
  「知らないもぉん♪」
   「きゃはははははは」


        「こぉらぁああぁぁ!!!騒がないって言ってんでしょ!!!!」

走り回る子供たちを怒鳴るドーラの迫力にラビとヴァルもさすがに引いた。


  「ねぇ、ドーラぁ」
「もう……あとで遊んであげるから」


    諦めたドーラはそう言うと騒ぐ子供たちをなだめて、アレンたちを孤児院の二階に案内した。



「失礼しま〜す」
ドーラはドアを開けると中へラオたちを通した。

そこに座っていたのは穏やかな表情をしたシスターだった。
歳は四十そこそこに見えるが、全身から癒しオーラを発しているようだ。

「ようこそ。エクソシストの皆様。お待ちしておりました」
その顔がハイネを見てパァッと輝いた。

     「まぁ♪ハイネちゃんじゃない♪」



           ____は、ハイネちゃん!?




あの無愛想で無口のこいつが
                            、、、、、、
               ____________ハイネちゃん!!??

吹き出しそうになったラビは口を手で塞いだ。



      「…………お、お久しぶりです」

             明らかにハイネちゃんと言われた時顔が引きつった。


「あの人ってこのシスターだったんですね」
「いい人なのに」
「ハイネちゃんってのが駄目なんかね?…プッ」
「笑うな、馬鹿ウサギ。」
「ほらほら!!!シスターの前でそんな怖い声だすなさぁ((汗」
「そんな面倒くせぇことで悩んでたのか」
「まだまだ餓鬼よね、ハイネも」
       「ドーラ……」
           「おぉ怖い」


逃げるようにドーラは部屋にすみにひっこんだ。

ふと、ラオはシスターの影に隠れるように少女が立っているのに気がついた。
ラオの視線に気がつくと余計に隠れてしまった。

    「あの子は?」
     ラオはドーラに訪ねた。

「あ、この子はここの孤児のドット。本当はトゥーランドットっていうんだけど長いでしょ」
ドーラは微笑むとトゥーランドットの頭を優しくなでた。

「殺人事件に巻き込まれてこの子は独りぼっちになったから………ここで一緒に暮らしてるの」


     「…………」


「……そう、イノセンスだったわね」
我に返ったシスターは金庫から大きな水晶玉を取り出した。

   窓から入る光で美しく輝いている。




あまりの美しさにめんどくさいとぼやいていたヴァルも黙りこんだ。



                  「これが______?」
                    ラオは呟いた。

                     「そう。わかったのは最近なのよ」

           「適合者はいるんさ???」
               「残念ながら私じゃないみたいね……」



    「じゃあ、回収したんだ。帰ろうぜ」

              ヴァルはそう言った。



「そうですね。ノアもいるみたいですし。ここに危害が行く前に速く回収した方が良さそうですし」

       「それじゃあ、早めに帰った方がよさそうね」
              ラオもそう言うと水晶に手を伸ばした。







             _______________へぇ……イノセンスか






   「!!!!???」


ラオはハッと顔を上げた。

「どうした??」
ハイネが聞いた。

   「い、いま_______」



そう言おうとした刹那____





                  「イノセンスも〜らいっ♪」



突然男の声がしてラオの目前で風にさらわれるように水晶がいつの間にか見知らぬ青年の手に渡っていた。


     「ノア……!!!」
        アレンたちは驚いてイノセンスをかまえた。








             「''哀''のノア……ジゼル・ノクターン」




     男___ジゼルはそう言って水晶を掴む腕に力を込めた。
               


            _____________パキィイィィィ


高い悲鳴を残して水晶にひびが入ると砕けた。
バラバラと散らばるイノセンスのかけらをラオたちは何も出来ずに見つめた。




                 「仕事のついでだ。遊んでやるよ」