二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン〜大江戸イレブン! ( No.28 )
- 日時: 2010/05/19 12:12
- 名前: ゆうちゃん (ID: 66DLVFTN)
- 参照: http://sinfantasista.blog130.fc2.com/
第八話『法師の帰還と炎の江戸』
久しぶりに帰ってきた。
懐かしい江戸。
言うがは早い……
迷子になっていたのである。
「本っ当、だらしないよねぇ」
「いやいや、宮坂の選んだ道でしょう?」
「っぐ……そっ、そんなことないし!!!」
「……やっと、着いたぁ………」
ご存知、インチキ法師佐久間とそのお供たちである。
将軍と話した後、この三人は安房の国まで妖怪退治的ななにかをしにいっていたのである。
「それはそうと……、なにかさわがしくありませんか?」
そう言ったのはマッハだ。
なんとなく、いつもの江戸と違ってさわがしい。
「祭りじゃねーのか?」
「今はそんな時期じゃないよ、エロ法師」
……佐久間は無言で宮坂の頭をぐりぐり……
二人を無視してさっさと歩いていったマッハは、信じがたい光景を目にした。
光り輝くネオン。
豪華なイルミネーション(昼なのに)。
さらには、
バニーガールの格好をした円ど………
って、まてまてまてまてまてまてまてまて!!!!!!
「なんのさわぎですか?!」
マッハでも、思わず声を荒げる。
「よぉ、法師!」
南雲が元気にあいさつ。
「そーじゃなくて!!!」
「店の売り上げを稼いでいるんだ」
と、涼野。
ってことは、ここって豪炎寺の店!?
「ご、豪炎寺さんは……?!」
許可するわけがない。
あの、豪炎寺さんがっ!
「あー、なんかね。胃が痛いって」
何してんだよ、こいつら!!!
「でも、行列できてるしー」
ヒロトが言う。
「ひゃー、すげーなぁ」
宮坂を気絶寸前までボコした佐久間が、宮坂を引きずりながらきた。
「師匠もなにか言ってください!!!」
「俺らには関係ねぇし。いいだろ」
あっさり却下。
「でもでもっ!」
珍しくあわてているマッハは、困惑中。
「あのな、世の中には人の考えがたくさんあるんだ。だから、俺達はひとつひとつを尊重しながらいきていくんだ。これも、こいつらの考えなんだよ」
まともなことを言って、落ち着かせる佐久間。
「……さすが師匠!!!!これも仏の教えですね!!」
納得。
「さすがマッハ!物分りがいい!!」
はっはっはっはっはっは。
宮坂が目をさました。
「あぅ……なに笑ってんの、気持ち悪い」
「宮坂、仏の教えです。生き仏たる佐久間様の教えです」
でた。でたよ。佐久コンマッハ。
幸せそうに笑っている三人のそばを、緑の髪の女性が通り過ぎた。
桃色の着物が髪に映えていてきれいだった。
宮坂はしばらく、なんとなくその姿を追っていたが、ふいにその人が通った後から、変なにおいを感じた。
マッハと佐久間は全然気づいていない。
この臭い…………っ!
「ふせろーーーーーーーーーーーーっ!」
宮坂が声を上げたと、同時だった。
豪炎寺の店の後方から火があがった。
客達は逃げ出す。
円堂たちも慌ててはなれる。
豪炎寺の店が炎につつまれた。
それだけではない。
街のほかの建物からも、火があがった。
「げほっ、なにが……」
逃げ出してきた風丸が街をみわたす。
町中が火の海だった。
「夕香ぁーーーーっ!」
豪炎寺の叫びがきこえた。
怪我をおって、動けなくなってしまったようだった。
円堂はすぐに着替えると、親友のもとへと走っていった。
「駄目だね、ヒロトは。これだから閣下に見捨てられたんだ」
さっきの女性が江戸城の屋根の上に立ってつぶやいた。
「下準備が整いました……閣下」
その隣で忍びの男性が、皇帝に連絡をとる。
「……では、いつでもどうぞ」
通信をきると、忍びは女性と供に燃え上がる街を見つめた。
「ふ。相変わらず、仕事が速い」
「そんなことないさ。俺はただ、ヒロトに見せ付けたかったのさ」
女性はさっと、着物を脱ぎ捨てた。
ヒロトと同じ、異国の着物を着た侍が立つ。
女性—————改め、異国の密偵(男性)は長い緑の髪を、結い上げた。
「—————————おしおきだよ?ヒロト」