二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン〜大江戸イレブン! ( No.57 )
日時: 2010/10/08 17:22
名前: ゆうちゃん (ID: 66DLVFTN)

第十三話『師のため友のため』


「……どうしたんだい?」
風丸が言った。
円堂たち全員は佐久間と別れたあと、言葉少なに街を一周して帰ってきた。
円堂たちのいつもと違う雰囲気を察したのだろう。風丸は文を書いていた手を止め、こちらを向いた。
「いや……なんでもない」
円堂はそう一言だけつぶやいた。


「若」
源田が風丸の元へ歩み寄り、耳元で小さく言った。
風丸は頷くと、「皆は下がれ」と言って、源田と二人だけ部屋に残った。
部屋からぞろぞろと出た一同は、今後について話すこともせず、風丸に借りた城のそれぞれの部屋へ行くだけだった。




「……なぁ、晴矢」
「うん?」
南雲は涼野のほうをむかず、口だけで答えた。
「……私たちには、何もできないのかな」
涼野は立ち止まった。
庭の木の上の小鳥の親子が目に入った。楽しそうに木の上で飛び回っている。
涼野はなんだか切なくなって、胸の前でぎゅっと手を握った。
南雲の足が涼野にあわせて止まった。
「私たちは、いつも親分についてて気づかなかった……。このまま戦になったら」
南雲は廊下のずっと先を見つめた。親分はもう角をまがって、見えなくなっていた。
「戦になったら……また……」
「俺はそんなことないと思うけどな」
南雲は言った。