二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: バスターズ 幻想の王 第十一話更新 コメしてえぇぇぇぇ!! ( No.36 )
日時: 2010/11/24 14:11
名前: 風 (ID: 7xCImRS/)

オスカル様へ
毎度毎度コメント有難う御座います!!!
ベリウスは根無し草タイプですvv本来悠々自適に1人で楽しむ気質です…
まぁ,寂しがり屋でも有りますが(聞かれて無いのに…

それにつきましては本編で[汗



ヴァンデルバスター
幻想の王


第一章:桜舞う国で
第十ニ話「告白 Part2」


ダイッチの言葉にシュバルツは口を紡ぐ。
訝るダイッチは言葉を続ける。

「もしかして……本当は僕と戦士団を組んだ事後悔してる?」
彼は不安だった。
自分の様な誰とも知らない男と突然組まされて彼は不満じゃなかったのか…
助けてもらって此処まで縋るなんて何と図々しいのかと彼は思っていないのか等…
一旦はドラゴが決めたこととは言え…
しかし,シュバルツは其れを否定した。


「違う」
「え_____」


「俺は復讐は出来ると言ったな…」
「うん」


少し前,仲間であるアーサー達が自らを逃す為に死地に追い込まれた。
其れを見捨てられなくて混乱したダイッチを力尽くでされど筋道立てて踏み留めさせた。
感謝しても感謝したりない…

「感謝してるか」

「当然だよ!君があの時冷静に対処できる人で良かった!!」
「そうか—————俺はあの時冷静なんかじゃ無かった。」


ダイッチの感謝の年賀全面に出ている言葉を聞き痛そうな表情でシュバルツは言う。
自分はあの時冷静なんかじゃ無かったと…有るまじき失態を悔いる様に…後悔したように。
ダイッチは疑問符を浮かべる。


「俺はあの時我が身が可愛かっただけだった。
生延びて力を付けてもダイッチ…お前の仲間達の仇を討つ気も無かったし…
何より俺はあの時恐怖で自分の言いたい事を言っていただけだ」

余所余所しく弱弱しくシュバルツはダイッチの表情を確認するように言った。
ダイッチの表情は次第に曇り自分を侮蔑するようになるのではとシュバルツは想像していた。
然し,そうではなかった。
ダイッチはあくまで穏やかな表情だった。


「分ってたよ…そんな事。」
衝撃の言葉,予想もしていなかったという風情でシュバルツは動揺を隠せない。

「なら何故」
府と声が漏れる。


「だって,それでも結果として僕を助けてくれた事は確かだ…
怖かったなら面倒な僕なんて放って置いて自分だけさっさと逃げれば良かった」
「俺に………」


聞かれなかったから応えなかったのであろうダイッチの胸の内。
あの時自分が魔人とアーサー達の戦いに恐怖し生命の危機を感じ逃げる事だけを考えた。
延命する事だけを考えた。唯,目の前に居た男…
自分がその場から消えれば間違えなく突進していって命を落す男を置いてはいけなかった。
それだけで自分は充分冷静だったのかと感じる。



「感謝してる。例え,唯寝覚めが悪かったからでも……君が居たから僕は生きてた」
「お前は眩しすぎるよ…何でそんなにも素直に人に感謝できるんだ…
俺は唯,怖かっただけなんだ…自分が死ぬのも止められる筈の人間が
そのままなら死ぬのが分ってるのも…醜いんだ。」


「感謝される価値はない…価値とか自分で決めないでよ。
僕は君に感謝される価値が有るといわれて感謝してるんじゃない。
君に感謝したいから感謝してるんだ…」


何処までも無垢で真面目で真っ直ぐな目の前の男。
何処までも屈折していて不真面目で穢れた自分……
そんな比較がなされたようで自らを嫌悪しながらダイッチを見る。
自分には眩しすぎる。
感謝したいから感謝するのだという彼の意思,一致しない感情…然し,彼の言う通りだ。


「戒めの鎖は永遠に俺を呪縛するんだ……闇の世界に引き摺り込もうとするんだ…
俺は,絶望の闇に堕ちる事を悪魔との盟約で交させられたのだ。」
「シュバルツ?」


「俺と共に居ると不幸になるのに俺は唯,後ろめたさから」


突然ドッと沸いて出た感情の渦。
過去と直結する記憶…彼は普段とは違う抑揚の無い高い声で宣言する様に言う。
ダイッチは唯当惑することしか出来なかったが…彼の言葉が終った後に思い切って言った。


「不幸になるかどうかは最後まで分らないよ…それにコッチが引きずり込んだ様な物だしさ」


「_____俺は仮初のリーダーだ。違う器が入ったら何時でもやめる」
「違うリーダーの器が入らなくても嫌だと思ったら何時でも止めて良いよ」

「気楽だな…」
「そんな事位気楽に行こうよ」



                      〜戒めノ鎖…其の言葉ハ妙ニ重カッた———〜

「あっ,キルベルジアの街が見えてきたよ!」
「___アァ,俺だけじゃ無理だった…」




気付けば街が近くに見える。
新たなるクエストの香が彼等戦士の鼻には感じられていた。
孤高の存在を知ってか知らずか気取っていたシュバルツに取って
二人だと言うことを大いに感謝した瞬間だった。
幾ら力を手に入れても所詮人間1人の力で出来る事は少ない。
ダイッチに強く感謝するのだった。


                          ∞END∞

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