二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: バスターズ 幻想の王 第十四話更新 コメして下さい!!! ( No.42 )
日時: 2010/12/17 13:24
名前: 風(元;秋空 (ID: l4scGqhv)

オスカル様へ

気になると言ってくれて有難うです^^
一話〜二話したら分ると思います!
そうですかぁ?悪人は酷い目にあうのですよ…


ヴァンデルバスター
幻想の王


第一章:桜舞う国で
第十五話「セレナ・ルーシェ」

此処に居ても何も無いと判断したシュバルツは踵を返し鑑定小屋を出る。
彼等が何を遣ろうと考えているのかバスターたちは皆想像は付いたがとめようとはしない。
そんな気力も無いのだ。本懐を失い希望も失い燻る彼等にとってそれも当然の事。
だが,1人だけ動くものが居た。


「おい,待て…逸るな餓鬼共!」

それはラッセルだった。
この町のハンターの最高峰として名の通る男だ。

「えっと?逸るって……」
「お前天然か!?お前の相方は鑑定士の行方を突き止めようと動こうとしてんだろうが!」
「えっ…ええぇぇぇぇぇぇぇ!?あっ危ないよ!もし,下手したら殺されるかも…」

「…………」


シュバルツはラッセルの言葉にも相方の言葉にも沈黙だ。
もし,その老婆鑑定士が向かう場所がハンターの脱出の経路といえる場所なら……
そこで鉢合わせたりしたら殺される可能性は高い。
然し彼がそんな事を想定できないような人物では無い事をダイッチは知っている。

「_____今迄逃げた奴はどの程度の連中だった?」
「30代のLvの奴が3人位で徒党を組んで逃げたのが最高d」
「あんたのレベルは?」
「47」

「アンタも一緒に来い……何時までも燻っていても何の進展も無い」


シュバルツの言葉にラッセルはボリボリと頭を掻きながら了承する。
元より企てていたのだ。彼女が何故このようになったのかを突き止めるということ。
其の為に今居る最強かつ活力の残るメンバーで追跡……
追跡が失敗しても業と逃げる振りをして網を張る作戦などを考えたいたのだ。

ラッセルは方向転換して言外に付いて来いと促す。
そして,老婆は実は定期的に其処に向かっている事を教える。
1週間に二回日時は違う物の確実に向かう。それも途中で尾行はばれるが絶対同じ道を歩くと…
今日はもう尾行は間に合わないだろう…だが,後一回今週中に尾行のチャンスは訪れると…
そして,その日は直ぐに来た。

「あたしゃぁ,ちょっと用事があるんでね…」

老婆はそう言ってハウスを出た。
シュバルツ達は好機と思うがラッセルはもう少し時間を置かないと直ぐにばれると静止する。
周りのバスター達も唾を飲む。
責めて邪魔はしまいと野次は飛ばさない。



『もし,アンタが乱心したのなら……諦める,人を殺す覚悟は俺には無い…
だが,もしこの事件に魔人が糸を引いてるなら…アンタが魔人に魂を売ったのなら』
「どうしたのラッセルさん?顔色が悪いよ………」


「餓鬼の頃,身寄りの無かった俺はあの人に育てられた……
スゲェ美人で……憧れた,こんな人と結婚したいって恋心も有った…今も多少な」
「_____戦えるのか?」

「馬鹿が………戦う事になったら戦うしかねぇさ…」


ラッセルの中にある遠い過去…
親は行商人で町と町の間を行き来する危険な仕事だった。
案の定願いなど届かず町の途中の山で魔物に急襲され父母二人とも死んだ。
そんな身寄りの無い子供達が山ほど居る。
そんな子供達の世話をするのも鑑定士の仕事の一つだ。
憧れてた。
強く勇ましく母性に溢れる彼女を強烈に………愛していた。


不意に涙が毀れる。
ダイッチは其れを気にして彼に問う。
その答を聞きシュバルツは重荷にならないかいざと言うときに動けるかと問う。


男は静かに冷然と……何もかもを受け入れたかのような口調で言った…






                        _______戦える………と




「下ってろ……此処からは彼女も敏感だ…この時の為に手に入れた俺の才牙の出番だ」
「どう言う事?」


ダイッチが怪訝そうにラッセルに問う。
ラッセルはニィと笑い才牙の発動による天力を鑑定士が感じられなくなる程度の距離で
才牙を発動する。




                ______<光の嵐よ飲み込め————ペルシャワイシャー>



すると光り輝く鞭が顕現された。
彼の得意天撃…稀有なる光の力の持ち主と言うことを証明する物だ。
目の前の男の資質に思わず感嘆するシュバルツ……そして,彼の才牙の力が発動する。
光の乱反射により自ら達の姿が全く周りには分らなくなる。
更には音や香も制御出来るようだ。
本当にこの尾行や潜入と言った事を想定した力のようだった。


「行くぞ…」
「あぁ」


ラッセルの言葉にシュバルツは小さく言った…





                           ∞END∞


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