二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケモン不思議のダンジョン 昼*夜の探検隊 ( No.35 )
日時: 2009/12/12 13:35
名前: ラピスラズリ ◆P2rg3ouW6M (ID: /UPoVEcS)

 と私たちを褒めた。普段褒めないぺラップに褒められたので、なんだか恥ずかしく心が痒くなって私は下を向いた。「頑張ってよかった」と心から思う。「頑張った後の喜びは大きい」とはこのことだ。

「おい、なにやってるんだ。ついてきな♪」

 恥ずかしくて照れているとぺラップはもう歩き始めていた。正確には、「飛び始めていた」だ。鳥ポケモンのぺラップなら目的の場所まであっという間に飛んでいけるけど、私たちの事を気遣って地面スレスレを飛んでいる。私とミニリュウはぺラップを急いで追いかけた。

「ねえ、ぺラップ。どこに向かっているの?」

 私は聞いたが、その必要はなかった。だって、ぺラップは私たちが歩いてきた道をそのまんま戻っているから。ビードルと戦った場所、オレンの実を食べた場所が歩いていくうちに過ぎていく。幸い、敵ポケモンは現れなかった。

 やがて歩いていくうちに岩場の入り口まで戻ってきた。ちょっと岩場を歩いただけなのに、私とミニリュウはまるで登山をした後のように息が上がっている。やはり、疲れがとれていないのだろう。
 入り口にはギルドのメンバー全員がいた。みんなザワザワとして落ち着きが無い様子だったけど、私たちが戻ってきたことがわかるとすぐに駆け寄ってくる。そして、私たちを円を描いて取り囲んだ。

「キセキーズぅぅぅ……。心配したでゲスよぉ」と涙目のビッパ。ちょっと可愛い。「無事だったんだな、よかったよかった」と相変わらず大声のドゴーム……みんなが心配してくれている。一匹を除いては。その一匹とは赤いザリガニだ。

「ヘイヘイ! おまえらのために来たんじゃないからな。お尋ね者がどうなっているか心配で来たんだからな」

 と、ハサミを鳴らしながら言う。キマワリがにっこりと笑った。

「よく言うですわ。自分が一番慌てていたくせに。やっぱり、最初にいっしょに冒険した後輩として、心配なんですわよねー♪ このツンデレ♪」

 キマワリの言葉にどっと笑いが起こった。私とミニリュウも笑ったが、それよりも嬉し涙がこぼれた。つい昨日仲間になったばかりなのに、こんなにも心配してくれたなんて。そんな私たちを、ギルドのみんなは黙って見つめている。

「おまえたち、グラエナ保安官だよ」

 ぺラップに呼ばれて私たちはきりっとした。涙を拭いて、ギルドの輪から抜け出すとぺラップのそばへ行く。そのぺラップのそばにいる四匹のポケモンたちを見て少しばかりぞっとした。

 一匹は大きい狼のようなポケモンで、色は黒と灰色だ。その毛並みはつやつやでフサフサ。目は鋭く、その口からは大きな犬歯がむき出している。「グルルルル……」という、うなり声は見る者を怖がらせた。

 もう三匹は、さきほどの大きい狼を子犬サイズにしたポケモンだ。小さいながらやはり狼。牙は大きい。その三匹がスリーパーとスリープを取り囲んでいる。

「グルルルル……。私はグラエナ保安官です。そこの三匹はポチエナ。お尋ね者の逮捕のご協力、ありがとうございました。またよろしくお願いします。グルル……」

 グラエナという大きい狼は私たちに挨拶をすると、ポチエナたちに目で合図をした。ポチエナたちはスリーパーたちに言う。

「さあ、こっちに来るんだっ」

 そして、岩場からグラエナ保安官、ポチエナたち、スリーパーは去っていった。それにしても恐ろしかった。あの牙で獲物をしとめるのだろう。

「ミーシャさん、ミニリュウさん!」

 グラエナ保安官たちが去った後、ルリリとマリルがやってきた。ルリリは、その手に木の実を持っている。

〜つづく〜