二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ひぐらしのなく頃に希【謎殺し編】 ( No.13 )
日時: 2009/12/12 16:56
名前: 月乃 ◆3txRA5P8CY (ID: gOBbXtG8)

03.部活
 教室に戻ったらみんなが出迎えてくれた。嬉しかったけど、心の中で何かがつまっているような……スッキリしない気持ちがあった。

『……でも、月乃に話したほうが安全を確保できると思いますで……』
『羽入ッ!!』
『はぅ!』
『……月乃に話さないと言ったら話さないのよ!!』
 梨花ちゃんは何かを喋ろうとする羽入を睨みつけながら怒る。……本当に言えない事なのだろうか?

 羽入は、少しあわあわしていたが、やがてシュッと消えた。
『……梨花ちゃん……』
『大丈夫なのです。羽入はいつでもああなのですよ。にぱー☆』
誰もが萌える梨花ちゃんの〝にぱー☆〟の笑顔を見て、あたしは安心する。
 そして梨花ちゃんがトイレから出ようと扉の取っ手に手を伸ばし扉を開ける前に何かをブツブツ言っていた。
『梨花ちゃ……?』
『……月乃……さっきの事は絶対誰にも言わない事。……分かったわね?』
大人口調で言う梨花ちゃんに少しあたしは怯えた。年下に怯えたことは、今までで一度もなかった。それに幼い梨花ちゃんが大人っぽい口調であたしに向かって喋るなんて…………。

「……の……つ……月乃!」
「はうあっ!?」
 気がつけば教室に居て、休み時間だった。魅音が一生懸命あたしを呼んでいたのにあたしは気づかなかった。
「大丈夫? ボーっとしてたよ?」
「ううん! 考え事してただけ……」
魅音に心配かけてちょっとしっかりしなきゃなーと思い、頬を両手でペチンと叩いた
 梨花ちゃんの席をチラッと見る。沙都子ちゃんと詩音と仲良く喋っている。……やっぱみんなともっと仲良くなりたいなぁ……。

「というわけで! 月乃との絆を深めるために、月乃を部活に誘いたいのだがー!」
「賛成ー!!」
 それは放課後の事。みんなが机をくっつけあい、魅音があたしを部活に誘った。みんなは口を揃えて賛成と言うが……。
「ぶ、部活って……なんの部活?」
「我が部はだな、複雑化するしゃか……」
「はいはい、省略省略。つまり、ゲーム部みたいなものだよ」
ゲーム部……という事は、ボードゲームとかトランプとかをする部活って事? それを部活と言うのだろうか……?
「ちなみに最下位は罰ゲームがあるからね♪」
「ば、罰ゲーム? たとえば……」
「メイド服を着て下校、とか♪」
め……メイド服、を着て下校? それは避けたい……!
 という事は、最下位を避けなければならない。
「じゃあ初心という事で、ジジ抜きでどう?」
「わ、分かった」
魅音はロッカーからトランプを出す。そのトランプを手に取ると、とても傷がついていた。
「これ、結構傷ついてるねー……はっ!」
みんなの視線が痛い。これはまさか……カードに傷をつけて、どのカードが分からせるためか? なんと卑怯な……!
「勝つためには手段を選ばないのでしてよ!」
「くぅ……!!」
沙都子ちゃんが高笑いをする。という事は……最下位確定って事か!?

 結局最下位でボロ負け。結局メイド服を着るハメに……。
「おー、よく似合ってるよ月乃ぉ〜♪」
「……うー……こんなの着て下校なんてしたくないよぉ……」
「はぅ〜かぁいいよぉ〜!!」
 魅音はなぜか持っているカメラでメイド服姿のあたしをとり、レナはお持ち帰りモード、梨花ちゃんと沙都子ちゃんと詩音はニコニコしながらあたしを見ている。
 圭一がとても笑いを堪えてるようにしか見えなかったので、一発パンチでおみまいした。
「月乃ぉー!!」
「笑いを堪えてる方が悪いんじゃないの〜圭一くぅん♪」
クラスには笑い声が響き渡る。
 ……前の学校では、こんな楽しい光景がなかった気がする。とても楽しくて……楽しくて。

 だけど……この村で、大変なことが起こるとは……この時は思わなかった。