二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 銀魂 〜楽しみは多い方が良い〜  ( No.120 )
日時: 2010/02/11 19:40
名前: 藤崎パン ◆i9wQCXHO3o (ID: OhjxYZN.)
参照: 桂が大っ好きなのに小説に出せない(泣) 別PCより

第38訓 〜実は仮面をかぶってる〜

一応朝ご飯の希望を聞くと、豊中は部屋を出て行った。
出入り口のドアを開けるとそこはかぶき町。
町でも家賃が安いといわれているおんぼろアパートの1室が、過激派攘夷党千開党の本拠地なのだ。

党首と副党首の3人が住んでおり、今在党首は不在だ。なので代わりに豊中が2人の面倒を見ている。

(そういえば、今日って朝市か?)

そんなことを考えながらブラブラ歩く豊中の腰には刀が提げられていない。
否、あえて提げていないのだ。
千開党の者はほとんど武器をどこかに隠している。
第4班班長の梅崎千代が袖の内側に短剣を仕込んでいるように。
豊中は隠す以前に、刀自体持っていない。

自分はまるで攘夷浪士などではない___そう思わせるためだ。

(やり!やっぱ朝市だ!今日の朝飯は握り飯と味噌汁にしよう!)

すこし達成感を豊中は感じ、朝市へと足を運ぶ。


朝市で並べられた食材は、安く、なおかつ美味しい。かぶき町にしては良心的だ。

「まぁ、若いのに朝市なんて珍しいわねぇ」

1人の中年の女性が豊中に話しかける。

「ハハッ使いッパシリみてぇなモンですよ」

豊中は笑顔で返す。
が、中年の女性は豊中の顔を見て、顔を固まらせる。

「あ、あぁそう。ご苦労様。それじゃぁ……」

中年の女性はそそくさに去っていく。
無理もない。
豊中自身も理解している。
なぜなら彼の顔には大きな、大きな傷がついているのだから。

先ほどの女性の反応も気にせずに、豊中は買い物を続ける。
顔の傷をのぞけば、周りから見れば普通の若い青年だろう。

だが、本当は、千開党の幹部。

豊中の口元が歪む。


___見つけられるもンなら、見つけて見やがれ、真選組___!

心中で、呟いた。

豊中は買い物を終えると、おんぼろアパートへと向かうのだった。