二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 銀魂 〜楽しみは多い方が良い〜  ( No.147 )
日時: 2010/02/15 19:13
名前: 藤崎パン ◆i9wQCXHO3o (ID: OhjxYZN.)
参照: 桂が大っ好きなのに小説に出せない(泣) 別PCより



第42訓 〜今も昔も、やってることは一緒〜

* かぶき町 とある工具の店

「ほい、コレで直った」

第2班班長隈井住朗は、おもちゃを少年に手渡した。

「わァ!ありがとうじーちゃん!!」

少年は子供らしい笑顔を見せた。

「なァに。構わんさ。これがわしの仕事じゃから」

そう___隈井住朗はものづくりの名人である。
職人と攘夷志士、どちらが本職なのかといったら、どちらかといえば職人が本職である。
千開党でも、職人として武器の製造を行っている。
そのため、第2班はあまり攘夷活動はせず、武器の製造が中心である。

隈井は少年時代から職人の下へ弟子入りし、職人としての腕を磨いてきた。
その師も、今は亡き人だ。
隈井がもうすぐ20になろうとしていた頃であった。
突然、師が亡くなった、という知らせを受けた。

師は、攘夷戦争で、天人に殺された。

戦場に武器製造のため赴いていた師は、天人の突然の攻撃で、命を落とした。

どうしようもない喪失感と怒りが隈井を包んだ。

もはや師は自分の父といってもいいぐらいの存在だった。
師の親戚から、これからどうするか聞かれたとき、答えはすぐに出た。

師の後をついで、天人に復讐をする

そして隈井は千開党党首の吉川と出会い、千開党第2班班長となった。
若かった頃は直接戦場に赴いていた隈井は、10年ほど前からは年をとってきたこともあり、戦場に赴く事はなくなった。

「師よ……元気で居られますか」

隈井は呟く。もう何万回と呟いた。
返事はない。が、なぜか少し元気が出るのだ。

「……お。」

店を見る。そこには客がいた。
綺麗な長髪をもった青年だ。

「おお、いらっしゃい。桂さんがココに来るとは、珍しいねぇ」

「うむ。すまぬが頼まれてもらえぬか」

「はいはい、なんでしょう」

来店したのは桂小太郎。
知る人ぞ知る、「狂乱の貴公子」である。
桂は抱えていた紙袋を隈井に渡す。

「はぁ、時計ですか?」

「いかにも。壊れてしまったものでな。何処が壊れておるか分からンのだが……隈井殿はお分かりか?」

「ねじが取れたんでしょうね。これくらいならスグに直りますよ。少しお時間いただけますか」

「構わない」

桂の承諾を得ると、隈井は店の奥へ入って行く。

—20分後—

「はい、お待たせしました」

隈井は店の奥から出てくると、時計を桂に手渡した。

「やはりすばらしいな、隈井殿の技術は」

「これくらい朝飯前ですよ」

と、その時。店に足音が聞こえてくる。

「かぁーつらァァァ!!」

真選組である。

「ち、しまった気づかれたか。では隈井殿、失礼する」

「2階からなら上手く逃げれますよ」

「うむ。すまない」

そういうと2人は急いで2階に上がっていった。
真選組が入った時には、もうその店に人気はなくなっていた。