二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 銀魂 〜楽しみは多い方が良い〜  ( No.161 )
日時: 2010/02/16 17:37
名前: 藤崎パン ◆i9wQCXHO3o (ID: OhjxYZN.)
参照: やっと桂を小説に出せた!! もう今なら……鳥になれるb 別PCより


第44訓 〜リーダーだからって、怖い人なワケじゃない〜

* かぶき町 とあるアパートの一室

そのアパートは騒がしい先ほどとはまた違う『騒がしい』空気を漂わせていた。

「あぁ!魁くんズルした!」

「してない」

「した!したもん!!あたしちゃんと見たもん!」

「うるさい」

「うるさくないもーん!!」

「こらこら。魁、魅。姉弟なんだから仲良くしなさい」

「だってぇー」

幼い子供2人__魁と魅__は、その男を見た。
大きくて、でも優しい雰囲気の男。

「魅が、言いがかりつけてくる」

「つけてないッ!!」

「つけた」

「つけてないーッッ!!」

魅は大きな隻眼に涙を浮かべ、喚いている。
一方の魁の隻眼は、まるで他の方向を向いていた。

「分からないことを言い続けてもキリが無い。さ、魅。もう一度やり直そう」

「…………はぁーい」

魅はその男の言葉になだめられ、大人しくなる。

「ありがとう。ちひろ」

魁はその男の名を呼んだ。
その男は
吉川千開(きっかわちひろ)といった。


吉川千開。
知る人ぞ知る、千開党の党首である。
攘夷戦争で活躍した者たちから、若者まで多くの者を受け入るという、大変な器の持ち主である。
気前も良く、人のことを優先して考える___それが吉川の人物像である。
千開党がここまで大きくなったのも、吉川の人間性である。
千開党の党員は皆、吉川を尊敬し、尊重している。
吉川を守り、攘夷活動をする___そういった意思が、党員に芽生えている。
本人の吉川は、自分のことなど、どうでもいいのだが。

「魅。」

「なァに、魁くん」

「もっかいやろ。」

「か、魁くん……!!」

先ほどのおもちゃを魅に手渡してくる魁。
おもわず魅は、魁を抱きしめた。

「うん!ごめんね魁くん!!あたしが悪かったよぉ〜!!」

「ううん。いいよ。ていうか、痛い。」

「ご、ごめん!」

魅は魁を離すと、おもちゃを手にとって、魁にみせた。

「こんどはズルなしだよ」

魅の頬が上がった。

「……してないよ」

魁の頬も上がった。

そんな2人を、吉川は1人の『保護者』として見守っていた。