二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 銀魂 〜楽しみは多い方が良い〜  ( No.167 )
日時: 2010/02/16 22:05
名前: 藤崎パン ◆i9wQCXHO3o (ID: OhjxYZN.)
参照: やっと桂を小説に出せた!! もう今なら……鳥になれるb 別PCより


第46訓 〜怒らないのは、好きだから。〜

*かぶき町 町外れ

「ねぇ」

「ん」

「どこまで行くのよ」

「そこだよ。そこ」

豊中は指差した。
そこには___甘味処。

「またぁ!?」

「俺ァこの店が行き着けなんだよ」

「さっきの店は」

「フラッとよっただけ」

「人に喰いすぎとかいっときながら……」

「あの店は人気がありすぎだ」

「……?それってどういうこと?」

「そのまんま」

「……??」

女__梅崎__は、男__豊中__について行く。
いつもなら逆なのだが、女はたまにはこんなのもいいなと思った。

ガララララ___

豊中が戸を開けた。
店内はがらんとしている。
店……ではない。なぜなら、目の前は玄関だったからだ。

「どこが店?騙したわね、犬」

「犬じゃねえ。まァ、なか上がれや」

「……」

言われるがまま、女は家に上がった。
男が指差した部屋に座った。

一人、考える。
(なんか勢いで来ちゃったけど……これって、逃げたほうがいいんじゃないの……)

心臓が高鳴る。

(犬ごときに……)

頬が赤くなる。

(そんなこと……)

汗がにじむ。


___瞬間


戸が開いた。
入ってきたのは先ほどの男。

「———あっ!」

梅崎の声が漏れる。
口が開く。

男はすかさず女の口を『何か』でふさぐ。
(___ようかん?)
そう思った時に女は壁に押し付けられていた。
女は状況が飲み込めず、代わりにようかんを食べる。

男が言葉をつむぐ。
「なんか梅崎さァ、最近おかしいから……まァ、ちょっと動くな。」

「え……」


瞬間。
女の口は『何か』でふさがれる。
温かい『何か』。
その『何か』が女の口から張られる時、女は状況を飲み込む事が出来た。


逃げようだなんて、思わなかった。


「重原のこと思いつめてンのか何かは知らねェけどよ、いつもでこでも思いつめてっと、梅崎らしくねぇよ」

男はそう言った。
女は言葉も出なかった。
ただ……涙が流れた。

男はそれを見て、かなり驚く。

「はへぁっ!?ど、どーした!?そんなに俺に責められンのがいやだったのか!?」

「ち、違う」

やっと言葉が出る。

「豊中が……そんな風に思ってくれてるなんて……思わなかったから」

その言葉に、男は安心したのか、女の涙を拭いた

「おかしいのは梅崎だけじゃなくて
俺もかもな……」

「……ふ。」


強く抱き合った。



_____かぶき町、町外れにて。