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＊　陸奥　山南宅

「しょーいや、新しく人が入ったんだ」

「ほォ」

暮里は酒を一杯飲んだ。
2人とも、頬が赤くなっている。
山南は酒が弱いのか、言葉がおかしくなっている。

「かしゃはらひといろっつってな。女。」

「ふぅーん。女……あれ、女人禁制やなかったっけ?」

「知ィらねェよォーなんかー帰ってきたらいたんだもん。俺の方がびっくりだわァ」

うぃ〜と、山南はくるくると頭を回した。

「あんさん、ホンマ酒弱いなァ。さ、もっと飲め飲め!そんで天に昇っちまえェ!アッハッハッハッハー」

「おぉーう!アッハッハッハッハー!!て、おいー、てめーすげーこと言ってンぞー!にゃはははは!!」

「聞き違いじゃ!のはははははー!!」

かなり本気で言い合っているのか分からないが、2人とも、頭のネジが外れている。
空の酒瓶3本ほど。そのうち2本分は暮里が飲んでいる。
山南はコップに酒を注ぎ、その酒を一気に飲み干した。

「何にもなけりゃいいけどなー」

窓からのぞく空は真っ赤に染まっていた。
そーやねぇーと、暮里も空を見た。

その赤い空を見、

　　　　　　　　・
「ありゃ、こりゃ雨になるなー」

呟いた。


「そーかァ、そうなっちまうか」


山南も呟いた。






空は晴れていた。


第57訓　〜晴れる空には必ず雨がある〜