二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 銀魂 〜楽しみは多い方が良い〜  ( No.232 )
日時: 2010/03/25 08:37
名前: 藤崎パン ◆i9wQCXHO3o (ID: iqzIP66W)
参照: みなさんただいま!!完全復活藤崎パンですb 新PCより

エピローグ

* 真選組屯所前

「用事は済んだ?お澄ちゃん」

自称“ガードマン”の女はひょこっと現われ、澄良の顔を覗き込んだ。
澄良は少し頬を上げて頷いた。

「そんじゃ、行こっか」

そう女は行って、タクシーを呼び寄せた。

「作り笑い、あんなに上手かったかな……かつみって」

ぽつり、と呟く澄良。

脳裏にある川島の笑顔は、初めてみる顔だった。
昔、楽しそうに笑う川島はどこへ行ったのか……
澄良はそんなことを考えていた。

タクシーに乗り込み、澄良はその場を去った。
女は澄良を見送ると、屯所を見上げた。

「さて、あたしも動こうか」

そういって、町の中へと消えた。


* とあるアパートの1室

吉川は、引き出しをあさっていた。
目的は、印鑑である。
郵便が届いたのだが、印鑑がない。

(魅がどっかにやっちまったかな……?)

吉川はしかたなく印鑑がないのでかわりにサインをして、荷物を受け取った。
中身は隈井からの食品である。

(隈井さん、俺のこと貧乏だと思っているのか……?)

食品をおいて、引き出しをもう一度あさってみる。
すると、1枚の紙が出てきた。

「あ、」

懐かしい紙である。

(これは烏取団との契約書)

その契約書はサインがされていない。否、していない。

(懐かしいなぁ……そういえば)

“烏取団は俺の親であり、家だ”

吉川の脳裏に、1人の声を思い出した。

(あの子は今何をしているんだろうか……)

「ちひろ。それなァに」

トタトタと、魁が寄ってきた。

「これは昔、千開党と烏取団が合併する話があったんだけど、その時の契約書だ」

「契約したの」

「いいや、していないんだ。真選組に邪魔をされてしまってね。俺たちは助かったんだけど、烏取団は1人だけ生き残って、後は全滅したんだ」

「へぇ」

「その生き残った1人は19歳でね……身寄りもいないらしいから探してるんだけど、なかなか見つからなくてね」

「死んだんじゃない」

「いや……そんな簡単に死ぬような子じゃないと思ってるんだけどな」

「俺も探してみるよ。なんていう名前」

「んー下は“かつみ”って言う名前なんだけど、上の名前は忘れちまったなァ」


「かつみ……うん。分かった。」

そういうと魁は魅に呼ばれて別の部屋へ入っていった。


“死んぢまったのか、兄さん達……”

そういった“かつみ”の顔を、吉川はよく覚えていた。
今にも泣き出しそうな、でも、なにか決心したような顔をしていた。



* 翌日早朝  陸奥 駅

「そんじゃ、俺、帰るわ」

「えーもう帰ンのン?」

「しゃーねーじゃん。2日だけだし、休み。」

「……また来てなァ」

「もちろん」

「……待ってンで」

「はいはい。じゃぁなー」

そういって山南は電車に乗り込んだ。
暮里は電車が見えなくなるまで手大きく振り続けていた。