二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.11 )
- 日時: 2009/12/16 21:29
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ( ´・ω・)無様 燃え滓 はたから見てみりゃ 君の事「綺麗」と
■━━・・・八
『な、なんッ、あ、兄貴、何で…』
俺はガタガタと震える人差し指で兄貴を指しながら、開いた口が塞がらなくなっていた。
「……チッ、馬鹿げた事しやがって…」
兄貴の舌打ちが大きく響いて聞こえて、俺はちょっと傷ついた。
そんで、兄貴は俺に歩み寄ってきた。
や、やべェ。
殺されるかも、俺。
若しくは、大きく頭叩かれるかも。
でも、俺の予想は大きく外れて、兄貴は何にも言わずに手を差し伸べてくれた。
「おら、けーるぞ」
振り続ける雪とは反比例して、兄貴の手は、不思議とあったかかった。
■━━
「稜弥ざばァァァァァアア!!」
「俺らじんぱい(心配)じだんでずよォォ、グズッ、どご行っでだんでずがァァァ!!」
船に足を引きずりながらも、頑張って帰ってきた稜弥を待っていたのは、涙と鼻水で顔をグシャグシャにした鬼兵隊隊士10人程だった。
医務室で足の治療を受けている最中、ダダダンッと波のように隊士達が流れ込んできたのである。医務室に。
『ちょ、お前等、なんちゅー顔してんだよ!』
稜弥は隊士達の顔を見るなり、とても驚いた様子で言った。
ときどき、足の治療の際に起きる痛みに顔を歪めているが。
『お前等、いつも俺に手ぇ焼いてるみてェだからよ。俺、頑張って功績上げてさ、お前等に見直してもらおーとさー……』
『ま、ちょっと俺が強い事知ってもらいたいのもあるんだけど』と稜弥は後付た。
だんだん小さくなる声。
今回、稜弥は新しく出来た部下にカッコいいとこ見せたいのと、
鬼兵隊隊士達に自分が活躍できる、とても強い、という事を知ってもらいたいのとで、こんな騒動を起こしたのだが。
その稜弥の言葉を聴いた瞬間、隊士達はまたブワッと涙を流す。
「何言ってんすか馬鹿稜弥様ァァ!」
『馬鹿ってなんだよ!』
「稜弥様が強いのは、俺らが一番良く知ってるんですよ!!」
「それに、見直すどころか、鬼兵隊隊士全員、稜弥様の事尊敬してますって!!」
隊士達は口々にそう言った。
それを聞いた稜弥も、少し目に涙が溜まる。
『そ、そうだったのかお前等…、おお、そうだな、もう心配かけさせねェからな! 安心しろよ!』
お前達ー! 稜弥様ー! とそんな掛け合いをし始める。
はたから見てみれば阿呆の集団であるが、稜弥は以前には見せなかった最高の笑顔を、皆に振りまいていた。
とても過激派攘夷集団とは思えない、平和的な図であったのである。
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治療受け終わったあと、俺は武市とまた子に説教された。
「おてんばで可愛いのは良いですが、少々副首領としての自覚を持って…」
「そうッスよ稜弥様、もう心配したんスから」
俺はさすがに反省した。
この2人に言われたら、もう頭上がんなくなっちゃうよ、もう。
あの後から兄貴に会ってないけど、2人が言ってた。
兄貴も凄い心配してたって。
あとで、兄貴ん所に酒でも持って飲もうかな。
関係ないけど、俺の部下だった山崎? だったか。
アイツは真選組だったらしい。
でも、そんなに哀しくない。
武市が逃がしたって言ってたから、死んでないと思うし。
何より、あんなのよりもっといい部下が俺に居たんだよ。
つかもう名前も忘れそうだし。
いい部下に恵まれて、俺ァ幸せだな!
さて、仕事でもすっかな。
■━━・・・
━━オマケ
「山崎ィ…、任務失敗たァ何事じゃゴルァァァア!!!」
「うぎゃァァァ!! ちょっ、ふくちょっ、刀はっ、刀は止めてェェエエ!!!」