二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.41 )
日時: 2010/01/02 16:45
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:               ———『攘夷最強を嘗めんじゃねェぞ』   

■━━…拾九


泉菟を担いだ稜弥が鬼兵隊に向かうのにかかった時間は、そんなに長くなかった。

しかし、その泉菟が目を覚ますのも、長くはかからなかった。

「…ここは」

『ちょっ、目ェ覚めるの早すぎない? 結構強めで打ったんだけどな俺』

ゴオオと風を切って忍者の様に進む稜弥の肩の上で、泉菟は目を覚ました。

早めに目覚めた泉菟に対し、少しキツめに峰打ちを喰らわせただけあった稜弥は少し傷ついた。

民家の屋根から屋根へと、尋常じゃないスピードで鬼兵隊の船へと向かう。

泉菟は状況を全て飲み込むのに3分ほどかかっていた。

そして、やっと飲み込むと。

「き、貴様! 我をどうするつもりだ! 降ろさぬか!!」

と、稜弥を睨みつけながら言った。

稜弥は『んー』と考えるフリをすると

『別に降ろしてもいいよ? そしたら俺も早くに船に帰れるしね。でもさ、ここで降ろしたら、アンタ真っ逆様に落ちるけど』

と、軽く言った。

泉菟はそーっと稜弥の肩から下を見渡してみる。
そこには、もう標高何メートルにも感じる遠い地面があった。

ぞぞぞと背筋に走る悪寒。

「やっぱり…いい…」

小さな声で前言撤回する泉菟。

『あっそ』

稜弥はそう返事をすると、更にスピードを上げて船へと向かった。

だんだんと平和な町並みから遠ざかり、港の方へとやってきた。

そこはいかにも危険な所オーラをかもし出し過ぎていて、泉菟は本能的に危険だと察したのは、大きな船の前だった。



■━━…