二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *妖精の尻尾* ( No.10 )
日時: 2009/12/24 06:58
名前: チャミー (ID: Lx/gxvCx)

第5話「恋敵、時々宿敵」


「ルーシィ」

ジュビアがいきなり、ルーシィに声をかけた。

「え、何?」

ルーシィは少し驚きながら返した。

「ルーシィは、本当にグレイ様を愛しているんですか!?」
「はい!?」

真面目な顔で問い詰めてくるジュビアに正直戸惑いながらルーシィは言った。

「いや……愛してるっていうか、恋敵ってのがまず勘違いって言うか……」

ルーシィとジュビアの周りには、たくさんの人がいた。
もちろん、グレイ本人もいる。

「ジュビア、ルーシィにだけは負けてられません!!」
「だから、あたしはグレイのことなんて——」

メラメラとライバル心を燃やすジュビアに、かなり困っているルーシィ。
そして、ただぽかーんと口をあけてその様子を見ているグレイ。
そんな様子を見たナツが言うのだった。

「うぜ(グレイが)」

もちろん、グレイがその言葉を聞き逃すはずがなく、またもやケンカになってしまったのであった。


***


「ルーシィとジュビア、どっちがグレイ様にふさわしいか勝負です!!」

ナツとグレイがケンカしている横で、ジュビアがそんなことを言った。

「勝負って……なにするのよ?」
「審査員はグレイ様……と、仲がいいナツさんにやってもらいます」
「はいきた、ガンスルー」

ジュビアはルーシィの質問を無視し、こう続けた。

「ではグレイ様、勝負の内容をお願いします」
「オレかよ!!」

いきなり勝負の内容を振られたグレイは、しばらく考えてから言った。

「よし、料理だな。料理なら、ギルドが壊れることもねーだろ」


しかし、その甘い考えが後に悲劇をもたらすのであった——


***  


「よーし、料理なら負けないわよ!!」
「ジュビアだって、料理は得意なんですよ!!」

二人がやる気になっているのを見て、ミラやカナ、エルザまでもがやってきた。

「料理の勝負……私もやるわ!」

ミラが笑顔で言った。

「私もやっていいのかー?」

カナが酒を片手に言った。

「勝負と聞いたら燃えてしまってな」

エルザも不敵の笑みを浮かべている。

「……ッ!! ルーシィ以外にもこんなに恋敵が……!!」
「いや、違うと思うよ」


***


「ルールは、家庭的な料理な。あんま変なモン作るんじゃねーぞ。じゃ、はじめ」

グレイのやる気のなさそうな掛け声とともに、女達のグレイ様争奪戦(命名ジュビア)が始まった。


「うまいもん作れよー!!」

ナツが言った。
……よだれをたらしながら。

「こら! ナツ、汚い!!」
「うるせーな。早く作れよ」
「あんた何様!?」

ジュビアがナツに切れている様子を見て、ジュビアは心の中でこうつぶやいていた。

(やっぱり、ジュビアはルーシィには負けられません!!)


続く