二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *妖精の尻尾* ( No.4 )
- 日時: 2009/12/18 16:26
- 名前: チャミー (ID: sUTR7t67)
第3話「空腹より仕事」
「……あのね、ひとつ聞いてもいい?」
ルーシィがナツとグレイにむかって言った。
「ここ、森じゃなかったっけ?」
「…………」
ルーシィが言うとおり、森であったこの場所に、植物は全く見当たらない。
ナツとグレイは何も言わなかった。
……が、反省しているわけでもなかった。
「だいたい、お前が——」
「そう言うお前こそ——」
案の定ケンカを始めた二人を見たルーシィは言った。
「仕事はどうするの?」
「「あ、忘れてた」」
ナツとグレイが声を揃えて言った。
「えっと、今回の仕事は森に住んでる魔物を退治することだよ」
ハッピーが言った。
……が、三人は言った。
「おい、グレイ」
「なぁ、ルーシィ」
「あのさ、ナツ」
「「「森って、どこだ?(かな?)」」」」
三人は顔を見合わせて、ただ笑うしかなかった。
すると、突然ハッピーが言った。
「なにか来るよ」
「ああ。森の魔物とかか?」
どおぉぉん
足音とともに、一匹の魔物が現れた。
「あっ、コイツだよ! 依頼書に載ってた魔物!!」
ハッピーがそう叫ぶと同時に、ナツとグレイは魔物に飛び掛った。
「あの魔物を倒すのは、俺だァ!!! 火竜の鉄拳!!」
「ナツには負けねぇ!!! アイスメイク ランス!!」
炎と氷がなんとも言えないタイミングで魔物を襲う。
あと少し魔法を繰り出すタイミングが遅くても、早くても、お互いの魔法を打ち消してしまうぐらいのタイミングである。
「火竜の咆哮!!」
「アイスメイク ハンマー!!」
闇雲に攻撃を繰り返す二人を見ていたルーシィも、魔法を発動させた。
「開け! 時計座の扉!! ホロロギウム!!」
ルーシィは、魔法で星霊『ホロロギウム』を呼び出した。
そして、中に入った。
「なにやってんだ!! ルーシィ!!」
ナツが叫んだ。
「『私、巻き添えになるの嫌だから』と申しております」
ホロロギウムがルーシィの代わりに言った。
「なんだよ、それ。ま、いっか。火竜の鉄拳!!」
ナツの技が炸裂し、魔物は倒れた。
「よっしゃあ!! オレが倒したぜ!!」
「クソッ、負けたか……!!」
なにか言っている二人とハッピーにむかって、ルーシィが言った。
「じゃ、ギルドに戻ろっか」
二人と一匹は頷いて、ギルドに向かって歩き出した。
達成感があふれていた彼らだったが、ひとつ大切なことを忘れていた。
そう、森に住む魔物どころか、森自体を消滅させてしまったということを——
続く