PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 短…編…? ( No.11 )
- 日時: 2009/12/22 15:57
- 名前: 雪子 ◆4kt9c3whh. (ID: Gb5QJ608)
八
「あ、居た居た」
雑誌をぱらぱらとめくっていると、文庫本を二冊ほどもって彼女が来た。
雑誌を閉じて本棚に戻す。
「ごめんね、あ、お金はこっちが出すから」
良く見つけられたものだ、と関心するが自分が行きそうな場所などまあ、この辺くらいしか無いな、と思い直す。
「いや、こっちが」
自分は一文無しというわけでもない。アルバイトもしているのだし。
そんな、情けないことはしたくも無い。
「お金あるの? 千円位」
彼女は笑う。そのくらい自分にだってある。
と思い財布を確認すると、ギリギリだった。情けない。
「一応あるよ」
「じゃ、たまには奢って貰おうかな? 私も半分出すし」
まあ、少しだけでも払えるなら、マシだろうか。
少しは、彼女の為になれるだろうか。
「それじゃ、それでいいよ。」
と言ってから、レジへ向かった。彼女もついてくる。
ビルを出ると、また何処へ行こうか悩んだ。
「公園にでも行く?」
そりゃあいい、と家近くの特に大きいわけでも無い公園への道を思い出しながら向かった。外に来てまでただただ話すのはどうだろう? とも思ったが、それが一番楽しいのだと思う。移動途中、人波に流されのは困るので、手をつないだ。その手のぬくもりは、とても心地が良い。彼女のすべてが、自分を幸せにしてくれる。
PR