二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D灰 †運命の歯車† 〜番外篇up〜 ( No.30 )
日時: 2010/01/04 17:20
名前: 悠 ◆FXzmrZiArI (ID: w3Re2V0V)

     † 第二章「操り人形」  第八夜 †


 「君がやられるなんて思ってもみなかったよ」
 「あっそう」
 「いや、あっそうって!!ボクは君が強いからだね。だから……その」
 「言葉は考えてから言ってくれ。理解するのも面倒だ。
  それにシスコン野郎が気にしているのはリナリーだけだろ」



あれから、リナリーがヴァルを抱えて帰ってきたのは、
ヴァルが任務に行って約丸一日ほど経ってからだった。
リナリーはその後すぐにまた任務に戻っていった。
重傷だったが一命を取り留めたヴァルは医務室のベッドで横になっていた。


 「ボクだってリナリーだけじゃなくてちゃんと君達の事も心配してるよ?」
 「どうだかな」
 「何!その態度はー!なんか怪我してより一層性格悪くなったんじゃない!?」
 「怪我して悪くなるのか?性格は。初耳だな」


そして、先ほどレギの情報を聞きにコムイが来たのだが……。
さっきからずっとこんな無駄な会話を続けている。

さて、二十分後。
コムイの息も切れてきたところで本題に入った。



 「じゃあ遺跡に行った所でレギに会ったんだよね」
 「あぁそうだ。遺跡にあった絵柄なんて覚えてねぇけど」
 「そして、レギの瞳の色が変わってた、と」
 「あいつの能力で変わったのかもしれねぇけどな」


コムイは「う〜ん」と少し考えてからありがとう、と医務室から出て行った。
一方のヴァルはやっと終わった、と寝始めた。





 「何か分かりましたか?」
 「いや、あまり良い報告はないね」
 「……じゃあ悪いんですか?」
 「どっちでもないね。大して役には立たないだろうし」

リーバーとそんな会話を終わらして椅子に座った。

色々調べてもヴァル一族やユアーシュの事などさっぱり分からない。
というより、そんな言葉が一切歴史上には載っていない。
分かった事と言えばヴァル一族が壊滅されたという事だけ。
他はあまり確証がなく嘘っぽい事しか書かれていない。


          ______不自然だ。


コムイだって今まで知らなかった事であるから、歴史にあまり載ってなくても理解は出来る。
しかし、これは。


                  〟〟〟〟〟〟
          ______載ってなさ過ぎた。


ヴァル一族は兎に角、ユアーシュについては一切無い。
という事は、あまり考えたくは無いがこう結論が出てしまうだろう。


                   「____裏歴史か」


表の世界に出せるようなものじゃないって事だ。
あまりの残酷すぎて表に公表できずずっと隠されていた。
そういう事にしかならない。

教団にもこんな事はあるがまだマシな方だ。

この二つはその国から、世界から闇へと葬られたに違いない。


 「アメリカ組はもう任務から帰ってたっけ?」
 「え〜と、確か帰ってますよ。ていうか、室長が出迎えしたでしょ?」
 「……あ、そっか」


リーバーに呆れながら見送られるとコムイはある人の部屋に向かった。
彼しかもう調べる手立ては無い。
そう考えたからだった。


                          続く