二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D灰 †運命の歯車† 〜本編up〜 ( No.34 )
日時: 2010/01/07 22:56
名前: 悠 ◆FXzmrZiArI (ID: w3Re2V0V)

     † 第二章「操り人形」  第九夜 †



コツ、コツ、コツ、コツ_________________。


廊下に自分の足音が嫌なくらい響く。
ただ今の時刻は深夜と言ってぐらい遅い時間で皆はもう寝ているだろう。
扉と扉の間の壁にある蝋燭が暗い床をかるく照らす。

コムイは目的の人物のいる部屋の前に来ると深呼吸をしてからノックをした。
しばらくして、「どうぞ」と言う声が聞こえたのでコムイはゆっくり扉を開けた。

中は月明かりでしか照らしていないので暗いが、
床に敷き詰められている本や書類は大量にあるのが確認できた。
足の踏み場も無いので落ちている書類を適当に退かしてそこに座る。

 「何のようじゃ」
 「ブックマン。何の用かは分かってますよね?」
 「……こやつから聞いたぞ」

ブックマンは二段ベッドの下段でボーッとしながら話を聞いているラビを指差した。

 「貴方なら知っていますよね。ヴァル一族やユアーシュの事」
 「知ってはいるが、そんなにも役には立たぬぞ?」
 「それでもいいですよ。ブックマンしかこの裏歴史は知らないでしょうし……」
 「……確かにな」




             「心して聞けよ」


そう言ってからブックマンは語りだした。

ソレは、想像していた事よりも遥か上をいく事であった。




 「本当なんですか!?……それは」
 「本当じゃ」
 「じゃあ、これはヴァル一族が……」
 「おぬしが思っている通りじゃろうな」
 「じゃあユアーシュはどうなるんです!?これじゃあ……」
 「そういう事じゃ」


あまりの事にコムイは驚きを隠せない。
この説が本当なら、全て解決とはいかないし疑問点も沢山残るが辻褄が少しだけ合う。
ただホッとする反面、これが嘘であって欲しいとも思った。


これが本当なら______________________。


そう思うだけでゾッとする。

ヴァル一族は、この目的だけの為に動いている。
一方、レギという人物はユアーシュというものの為にヴァル一族にいる。
これは、すれ違いで生まれた多大なる間違い。

それは、教団にも関係がある。

というより、千年伯爵及びAKUMAやノアにも少し関係がある。
この教団と千年伯爵達の関係上に出てきたものだったのだ。
この関係こそがこの惨劇を生んだ。


運命とも言える偶然的に合ってしまったんだ。この二つは_______。


 「あ、明日。皆に説明しますのでブックマン。頼みましたよ」
 「あぁ分かった」


「では、明日」と告げてからゆっくり部屋を出た。
コムイ自信も信じ難い事だった為まだ頭の中が混乱していた。







 「少しどころか、かなり面倒になったな、コレ」

ベッドの上で頭に手を組みながら呟いた。
窓からの月の明かりだけが辺りを照らす。
視線は天井にしか向けられていないのに様々な映像が頭の中に浮かぶ。


             「どうしようか、後」




                           続く