二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケスペ ◆虹色学園の物語◆  ( No.4 )
日時: 2009/12/19 17:10
名前: つっきー ◆6ErNcpqLy2 (ID: 8Sk6sKy2)

001.かったるい入学式

「えー、我が虹色学園中等部では——……」

お決まりの校長の長ーい話。生徒は今にも眠りそうな顔だった。
オレンジも、その生徒の一人だった。

オレンジは、「どうせ誰も話の内容覚えないんだから別にいいじゃん」と思っていた。
ゴールドもだらーっとした顔で、シルバーは完全に寝ていた。いや、寝息を立てていた。

それでもクリスは真剣に話を聞いているだけえらいと思う。

やっと校長の話が終わるかと思えば今度はPTA会長や生徒会長のお話。
その時間は、生徒全員にとって、とてつもなく長く感じたのであった。


「やっと終わった……」

教室に戻る頃はもう全員がクタクタだった。
ちなみにオレンジのクラスは1-Aで、ゴールドとシルバーも1-Aだ。
残念ながら、クリスとはクラスが離れてしまった。


机にへばり付いてダラーンとほぼ死の状態で居たオレンジだが……。

「あの〜」
「んにゃああ!?」

突然、後ろの人から肩をポンっと触られながら話しかけられたため、オレンジはびっくりして飛び上がってしまった。

「ご、ごめんね! お、驚かすつもりはなかったんだけど……」
「あ、平気平気ー」

オレンジはニカニカ笑うと、その女の子はホッとした。

「あの、私の事わかる?」
「……えっと、んーと……」

オレンジは空っぽの脳みそからなんとか記憶をたどったが、やっぱりわからなかった。

「ご、ごめんね、その〜……」
「ああ、平気だよ。あなたが私を知らなくても、私はあなたの事を知っているよ?」
「ふぇ? それは……?」
「……確か6年生の頃、学習発表会で主役を演じたよね? そして歌ではソロで綺麗な声を出した……そう、オレンジちゃん!」

オレンジはびっくりして感激した。この女の子が、自分の事をちゃんと見ていたことに。少し嬉しくなった。

「えっと、あなたの名前……は?」
「私はミカ。美術部に入る予定なの。よろしくね?」
「ミカ……?」

どこかで聞いたことがあるような、とオレンジはまた空っぽの脳みそを使って、思い出した。

「あー!! 思い出したッ!!!」

そう。ミカは、数々のイラストコンテストで最優秀賞を獲得し、なんと画像等を作るほどの持ち主で有名だった、と。