二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: BLEACH 零を背負う者 ( No.22 )
日時: 2009/12/26 18:10
名前: 湯山 アヤカ (ID: VTrHJ6VV)

22 るかの誘惑
  舞奈 視点

 自分の部屋の天井を見て分かった、目が覚めたんだ。
 えっ!朝の9時?あたし、15時間以上寝たの!?
 
 「おっはよう〜 舞奈ちゃん」
 
 わぁっ!! びっくりした…って、藤原ー!! なんで、ここにいんのぉー!?!?
 
 「あははは〜 舞奈ちゃん、びっくりしすぎだよ」
 
 藤原は窓から入ってきたらしい。
 
 「な、何しに来たの?」
 
 「空白の一日…それを、舞奈ちゃんは思い出した?」
 
 突然、藤原がこう言った。
 
 「なんで…それを?」
 
 なんで? なんで? なんでそれを知ってるの?
 空白の一日…
 あたしは一日だけ記憶が抜けている……
 それは、あたしが炎帝を手にしたばかりのとき。初めておじい様に四大貴族の集会に連れていってもらったの。兄様とおじい様と一緒に、集会所に行った事までは覚えてるけど… その後はもう……
 
 「まぁ、いいや。それより、明日は隊首会があるのよね」
 
 げっ…そうだった……卯ノ花隊長のこと、どうしよう!!
 
 「そうだよ。あたし、ちゃんと出席するから。あたしの私用で、隊の印象を下げるわけには、いかないわ」
 
 「さすが隊長ね」
 
 藤原はそう言いながら、まじまじとあたしの顔をみつめた。そして、大きくため息をつく。
 
 「それにしても、あなた、昔とずいぶん変わったわねぇ〜」
 
 その言葉は、グサッとあたしの心に刺さった。
 
 「それだけを言いに来たの。じゃあね〜」
 
 藤原は手を振りながら、また窓から出て行った。
 あいつが去った後の静かな部屋で、ある思いが脳内に浮かんだ。
 あたしは…変わった?だから、兄様達は気付いてくれないの……?
 そりゃあ、50年も経ってるから色々変わったのかも知れない…
 兄様はあの後、緋真さんと結婚して、ルキア姉様を妹として迎えて、六番隊の隊長になって…ものすごく冷徹になったけど、あたしには分かる!! 兄様はやっぱり昔のように温かくて、優しい。
 でも、あたしは?
 あたしは、零番隊の隊長になって、男装して、卍解を修得して、ホロウ以外の人のいっぱい、殺して……
 そっか、もう昔のあたしじゃないね。
 あはは、でも大丈夫…だって、あたしは泉 珠なんだから……