二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: BLEACH 零を背負う者 ( No.28 )
日時: 2009/12/26 18:21
名前: 湯山 アヤカ (ID: VTrHJ6VV)

28 零番隊出動
  楓 視点

 「楓ぇー」

 副隊長が俺に声をかけた。

 「なんスかぁー?」

 適当に返事をすると、副隊長は少し声を低くした。

 「隊長がどこにいるか、知らないか?」

 はぁ〜 本当に副隊長は心配性だなぁ〜 隊長も、ガキじゃあるまいし……

 「気にする事はねぇと思うぜ、副隊長。瀞霊廷内で隊長を襲う奴なんか、いねぇよ」

 「う〜ん、まぁ、そうかも知れないけど……」

 それでも心配そうな副隊長を見て、ずっと黙っていた紅葉が、口を開いた。

 「仮に隊長さんを襲う人がいても、返り討ちにされちゃうよ」

 紅葉が言い終わった瞬間、執務室のドアが大きな音と共に開き、砕蜂が息を切らして立っていた。

 「あっ、こんばんは、砕蜂隊長。どうしたんですか、そんなに慌てて。まぁ、とりあえず座って下さい。今、お茶を入れますから」

 副隊長が、茶を入れようと立ち上がったのと、ほぼ同時に、少し息を整えた砕蜂が大声で怒鳴った。

 「茶などいらん。それより貴様ら、一体ここで何をしているのだ!!」

 「なんだよ…うるせぇーな」

 砕蜂が聞こえるように、わざと言ってやると、副隊長に睨まれた。

 「こら、楓! 失礼だぞ。すみません、砕蜂隊長。そうですよね、執務室はおしゃべりする所じゃないですよね。今すぐ、部屋に戻ります」

 「違う、私はそう言う事を言っているのではない!! まさか…貴様ら知らぬのか?舞奈の事……」

 隊長の事…? どういう事だ……

 「どう言う事ですか?!」
 副隊長が、俺の考えをそのまま映したような言葉を言う。すると、砕蜂は少し眉をひそめた。

 「本当に知らぬのか…?今日、零番隊に仕事が出された。暗殺の仕事だ」

 仕事、だと? しかも暗殺……今まで、仕事があるのに、教えてくれなかった事は、一度もない。なのに、なぜ今回は……

 「実行は今晩。ターゲットは……朽木 白哉及びその一族だ」

 俺は一瞬、自分の耳を疑った。 

 「なぜ、四十六室は朽木を殺るんだ…」

 「藤原家は数十年前から、瀞霊廷を潰そうとしていたのだ。四十六室はそこに、朽木家も加わっていると考えたのだ」

 「だが」と砕蜂は続けた。

 「それは間違いだ。朽木はこの事には関わっていない。私が直々に調べたのだ、間違いはない」

 なんだ、それなら話は簡単じゃないか。

 「朽木家の家に行くぞ、紅葉、副隊長」

 俺は斬魄刀を掴むと、立ち上がった。

 「楓…!!」

 「何をそんなに慌ててるんだ? 副隊長。俺は朽木を殺しに行くとは、一言も言ってないじゃん。俺は隊長を止めに行くんだ」

 「だが宮輝、それは四十六室の命令だぞ!」

 四十六室の命令? はっ、そんなに知るか、俺は隊長の命令しか聞かねぇよ。

 「砕蜂、はっきり言うと、俺は四十六室も、瀞霊廷も大っ嫌いだ。もちろん、死神も例外じゃねぇ。だけど、隊長と零番隊ココのみんなだけは違う。ここは俺の大切な場所で、隊長は俺の大切な人だ。俺は自分の大切なモノを守る!」

 あの日から、俺はそう誓ったんだ……

 「砕蜂隊長は知ってるよね? 零番隊は隊長が変わる度に、隊員も一新する。隊長は自ら隊員を探し出す。それは絶対な忠誠を創るため。探すのはもちろん、条件に合った者だよ」

 「今までの零番隊隊長は、なるべく条件に近い者を選んでいました。でも、泉隊長は違いました。隊長は条件ところが、死神になるための教育すら受けた事のない者を、選んだのです」

 俺達の言葉に、砕蜂は怪訝そうな表情をした。

 「貴様ら零番隊に入る条件は、一体なんなのだ…?」

 「それは多分、今夜分かると思いますよ」

 副隊長は斬魄刀を手に取った。紅葉も同じ行動をとる。

 「隊舎を出たら、僕らはもう掟破りだ。二人とも、覚悟はいいよな?」

 「もちろんだよ、副隊長」

 「うん!」

 「よしっ! それじゃあ、朽木隊長の屋敷に行くぞ!!」