二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: BLEACH 零を背負う者 ( No.37 )
日時: 2009/12/26 21:14
名前: 湯山 アヤカ (ID: VTrHJ6VV)

37 始まりの場所
  楓 視点

 「ほら、きれいでしょう?」

 舞奈に連れて来られた場所は、小さな丘の上だった。そこからは、今まで俺らがいた森の全体が見下ろせる。
 本当に、言葉を失ってしまう位、きれいな所だ。
 常緑樹の緑と、落葉樹の紅や黄が混じって、とても神秘的な風景を創り出している。

 「何か、気付いた点はない?」

 舞奈がふいにそう言った。
 気付いた点?
 それって、この森に何か変わった所があるって事か? でも、そんなに変わってる場所なんて、ないじゃないか。

 「あっ…」

 隣で、紅葉が小さく声を上げた。

 「落葉樹の葉っぱが、落ちてない……」

 本当だ!
 もうすぐ、冬になる。常緑樹でないかぎり、木々は葉を落としてしまっているはずだ。

 「はい、当たり〜」

 舞奈は紅葉の頭をクシャッと撫でる。

 「ここはね、瀞霊廷内で、一番霊力が集まりやすい場所なの。だから、その影響で草木が枯れる事は滅多にないんだ。あたしは、ここを『始まりの場所』って呼んでるの」