二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Prologue ( No.2 )
日時: 2010/01/08 19:53
名前: 日向 (ID: 0wDrexNa)

『いい?その大きな目をばっちり開いて、良く見ててね』

『うん!』

幼いあたしと、優しかったお母さんの姿。

お母さんが何かぶつぶつと呟くと、種が植えてあった植木鉢からピンク色の花が咲いた。

『わぁっ!すごい!さっきまでたねだったのに、おはながさいちゃった!!』

『このお花はね、あなたの笑顔で育つのよ。だから、毎日毎日明るく笑ってね』

『うん!おかあさんはすごいね。あたしも、おかあさんみたいな【まほうつかい】になりたい!』

『・・・・・・・・・・・・・・・』

お母さんがそう微笑むと、右手に持っていた金色のペンダントを翳して、

『これは、あなたにあげるわ。5歳の誕生日プレゼントよ』

『え?ほんとう!?ありがとう、おかあさん!』

キラキラ光るペンダントをあたしは手の中に収めた時、お母さんの言葉を聞いた。

『いい?このペンダントはあなたに【幸運】を喚ぶペンダントなのよ。だから、このお花のようにずっと笑顔でいてね』

『うん!わかった!あたし、ずっとえがおでいるね!どんなことがあっても、おとうさんにおしえてもらったことばでがんばるねっ!』

『いい子ね。でもね、そう簡単には【幸福】は手に入らないのよ』

『・・・・・え?』

『本当の幸せは、リク。貴女が手に入れるのよ。いい?これは、お母さんとの約束よ』

『うんっ!』

あたしは笑顔でお母さんと一緒に指切りをした。

それが、あたしとお母さんが交わした最初で最後の約束————・・・