二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第0話 突然の出来事 ( No.5 )
- 日時: 2010/01/06 15:03
- 名前: 日向 (ID: 0wDrexNa)
さわさわ、と風が木の葉が耳に入る。
音に導かれて意識がぼんやりとしながら戻る。
「・・・ん・・・?」
あたしの目に入ったのは晴れ晴れしい青い空と白い雲、そして活き活きとした木の葉。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
数秒くらい思考停止して、あたしは勢いよく上体を起こす。
(えっ!?あたし・・・、生きて——)
ズキッ
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!?」
勢いよく起こした所為か、頭に酷い頭痛が走る。
「いたた・・・、それにしても・・・・・・ここ、何処?」
右手にしっかり握ったペンダントを首に提げながら、立ち上がる。
眼前に広がるエメラルドグリーンの湖と一帯の森。
何処かの外国でしか見られない景色。
回りを見渡している時、少し離れた先に見えるものにあたしは絶句した。
「・・・・・・あれ、お城・・・・・・?」
あたしが目にした物は青い屋根をした城が見えた。
かなり昔に建てられた城みたいだけど、あたしはそれを唖然と見ていた。
「な、何なのよ、これ・・・・・・」
あの城を目にして、あたしは足から力を向けてそのまま座り込む。
いきなり過ぎる事で混乱していた頭を少し落ち着かせようと、起こったことを振り返ろうとした。
「落ち着け、あたし。これまでの事を振り返ろっか。何で、あたしはこんな所にいるんだっけ?」
「さぁ?どうしてかな?」
「どうしてって・・・先生のつまらない授業を聞いてて・・・」
「うんうん」
「それで、少し悪戯したら男子が怒って、あたしのペンダント奪われて・・・」
「それで?」
「あたしは追いかけて返そうとしたら、足を滑らせて工事現場から落ちちゃって・・・」
「それは災難だったね。で?」
「その後、音を・・・というか、授業中に聞こえていた鈴の音をまた聞いて・・・」
「で、その音に反応して、ここにいた、と」
「そうそう。・・・・・・・・・・・・・・・ん?」
「ん?」
自問自答して訳ではない。
誰かが質問していたから答えただけ。・・・え?もしかして、誰かいるの!?
自分以外の声に気付いて振り返れば、そこにはダーコイズブルーの髪とラズペリーピンクの瞳をもした青年が、あたしと目線を合わせる様にしゃがみ込んでいた。
呆然と青年を見ていたあたしの視線を絡み合うと、青年がにっこりと微笑み、あたしに問いかけてきた。
「君、こんな所で何をしてるのかな?」
「・・・・・・そんなの、あたしが知りたいよ」
青年の質問に、あたしはそう答えた。